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電力(でんりょく、)とは、単位時間に電流がする仕事(量)のことである〔。なお、「電力系統における電力」とは、単位時間に電気器具によって消費される電気エネルギーを言う〔近角(2013) p.363 消費電力(electricity consumption)とも呼ばれる〕。国際単位系(SI)においてはワット が単位として用いられる。 なお、電力を時間ごとに積算したものは電力量(electric energy)〔すなわち、電力を時間積分したものが電力量である。〕と呼び、電力とは区別される。 == 概要 == 専門用語では、「電力」とは単位時間に電流がする仕事(量)のことである。単位はW(ワット)であり〔、電圧Vの電源から電流Iが流れているとき、電力はV・Iという式で表せる〔『改定版 物理学事典』「電力」〕。つまり電力は、電圧と電流の積である〔電気学会『電気磁気学 電気学会大学講座』〕(物理学概念の分類体系で言うと、仕事率 (power) に分類されるわけである)。 なお、一般用語(非物理学用語、非専門家用語)では、「電力」が、電気の形で伝えられるエネルギーを指していることも多い。なお専門用語ではこのエネルギーに関しては「電力量」と呼び分けて区別している。 また、一般用語では、「電力」が電磁相互作用による力を指すこともある。 一般的に言うと、電力は電池や発電機で作られている。電力は個人が小規模に作ることも可能である。たとえばソーラーパネルや小さな風力発電機や小さな水力発電機などを用いて、家庭で消費する電力をまかなったり、家庭で消費する以上につくり余剰分を販売することもできる。 電力を商品として(供給)販売することで収益(売上)や利益を得ている会社を電力会社と言う(世界的に見ると電力会社には様々な規模のものがあり、大手もあれば小規模のものもある。日本では小規模のものとしてPPS(特定規模電気事業者)という位置づけのものが登場した。)。最初の電力会社、トーマス・エジソンの会社が設立したPearl Street Stationは直流方式で送電し一時期はそれが標準となっていたが、ニコラ・テスラやジョージ・ウェスティングハウスは交流送電を推し、両陣営間で激しい対立が起き、結果として交流送電方式が普及し(そのいきさつや理由については「電流戦争」の記事で詳説)、現代の電力会社は一般的には電力を三相交流で供給しており、電圧としては高圧電力・低圧電力の両方を販売している。電力会社の業界を電力業界という。 1990 年代から、欧米を中心として、世界中の多くの国や地域において、電力の自由化が積極的に進められている〔『電力自由化の経済学』はしがき〕。 欧州の各国の電力事業は、各国それぞれの歴史を持っている〔『よくわかる最新スマートグリッドの基本と仕組み』6章-1 pp.134-135〕。かつてはひとつの国にひとつの電力事業業者、という形が一般的であったが〔、1999年に欧州電力市場では《市場の自由化》が導入され、各国でいくつもの電力事業業者が活動するようになった〔。欧州のなかでも、いちはやく自由化された電力市場を整備したのは英国であった〔。 英国ではかつて英国電力公社が英国全体に電力を供給しており、発電も送電も全て行っていた〔。1990年にその英国電力公社が民営化され、その時に、同時に発電事業と送電事業の分離が行われ、消費者に電力を供給する配電事業にはいくつもの電力供給事業者が参加できるようになった〔。消費者は、(ちょうど、携帯電話の通信サービスを比較して決められるように)電力の価格などを比較して、自分が利用する電力供給事業者を選択できるようになった〔(なお送電に関しては、英国ではもともとひとつの電気事業者が全国の電力供給を管理していたため、結果として、高圧送電系統はナショナルグリッド(:en:National Grid)という送電系統管理事業者が運用する方式を採用した〔。)。このようにして英国では、発電・送電・配電が完全に分離された〔。 現在、欧州各国で行われている電力事業の形態というのは、上記の英国の形態と似たものになっている〔。つまり、発電と送電の分離されており、送電に関しては送電系統管理事業者が行っている〔。そして欧州の各国はそれぞれ隣接する国々と高圧電線で結ばれ、日々、電力の輸出・輸入が行われている〔。 グリーン電力とは、風力発電や太陽光発電、バイオマス発電、小規模水力発電 等々、温室効果ガスの排出が少なくて環境への負荷が小さい自然エネルギーや再生可能エネルギーによって発電された電力のことである〔『図解入門ビジネス最新温暖化対策の基本と仕組みがよーくわかる本』p.78〕。 2000年代に入り、欧州で風力発電の導入がかなり進みはじめてから、発電出力の変動に伴う供給の不安定化の問題への対応策が打たれるようになっており、EUレベルでスマートグリッド化が検討されるようになった〔。 日本では第二次世界大戦前に、電力の供給を独占する体制(電力独占体制)が形成された〔渡哲郎『戦前期のわが国電力独占体』〕。日本においても、1995年の電気事業法の改正により、電力自由化に向けての様々な動きが始まった〔。1995年に制度化されたのはIPP(Independent Power Producer 卸供給事業者)で、IPPが発電した電力を既存の10電力会社が買い取るという仕組みで、IPPが需要家に直接販売するわけではない。だから、電力料金に直接影響を与えるものではなかった〔吉松崇「電力会社が原発に固執するのは何故か」(『世界』岩波書店 第824号 2011年12月 292ページ)〕。 === 電力消費量 === 2012年時点での全世界の電力消費量は20兆9千億kWhである〔http://www.yonden.co.jp/life/kids/museum/energy/world/005.html〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「電力」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Electric power 」があります。 スポンサード リンク
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