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朝鮮人民軍(ちょうせんじんみんぐん)は、陸軍、海軍、空軍、戦略ロケット軍、内務軍の各兵科により編成されている朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の軍隊で、メディアからは北朝鮮軍とも呼ばれている。朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法第11条の規定により、制度上は朝鮮労働党の指導を受けるとされるが、党の指導が形骸化しているという指摘がある(先軍政治を参照)。現在は「国家主権の最高軍事指導機関かつ全般的国防管理機関」と定められた朝鮮民主主義人民共和国国防委員会の指揮・統制を受けていると考えられている。 == 概要 == 平時においては、韓国の首都であるソウルを射程に収める長距離火砲およびミサイルの即応体制を維持し、ソウル在住の要人や約1000万人の非戦闘員を事実上の人質としており、韓国軍と在韓米軍の動きを抑止している。有事の際には韓国領内に電撃的侵攻を行い、主な攻略目標として首都ソウルを制圧することで韓国側の戦争遂行能力を奪うこと(人民軍では「速度戦」と呼称される)を基本戦略とする。朝鮮人民軍の兵力は世界有数の規模だが、装備に着目すると軍事専門家から『動く軍事博物館』と揶揄されるほどの旧式装備が大半を占め、燃料不足のため訓練も十分ではなく、複数の軍事専門家から制空権・制海権の獲得は絶望的と指摘されている。北朝鮮はこのような装備面での劣勢を膨大な動員力でカバーし、爆発的な破壊をもたらす飽和攻撃で韓国軍と在韓米軍を押し潰す戦術をとらざるを得ないため、兵力の多くは軍事境界線から100キロ未満の地域に前方配置されているが、武器弾薬の補充(兵站)が困難な状況から継戦能力は限定的なものであるとみなされている。もっとも、北朝鮮国内では外国人に対する監視が極めて厳しく、情報収集が困難なため、食糧難や燃料難の情報は漏れでてくるが、朝鮮人民軍の規模や深刻度についての憶測はソースにより様々であり、情報が錯綜しているのが現状である。 朝鮮人民軍は、通常兵器の質では仮想敵である周辺諸国にかなわないため、サイバー戦争・大量破壊兵器(朝鮮民主主義人民共和国の大量破壊兵器)・弾道ミサイルの開発に傾注しており、北朝鮮の6000億円の年間軍事予算(公表された数字では年間3000億前後)のうち4000億円近くを核・ミサイルおよびクラッキング技術の研究開発に費やしている〔http://www.jimmin.com/doc/1160.htm 人民新聞の配信記事(2009/06/24配信)〕。韓国・日本の中には、北朝鮮要人の「民族統一のためには核戦争すら辞さず」との発言から、「北朝鮮は端から韓国機甲戦力を核兵器で破砕する意思があり、核を撃ち合うなら集中した機甲より散開した歩兵が適正な選択。韓国の第三世代戦車も核で溶けないわけではない」「北朝鮮の核実験により、半島の軍事バランスは一気に北に傾いた」という見解もある。現段階では弾道ミサイルへの核弾頭搭載については見解が分かれているが、これは北朝鮮自身の核実験の実績から推測しているものにすぎない。実際、パキスタンのアブドゥル・カディール・カーンも関与していた核の闇市場を通じてパキスタンあるいは中国製の1960年代に設計された弾道ミサイルに搭載可能なウラン爆縮型原子爆弾の設計図が北朝鮮に流入している事は考慮されておらず、正確性を欠く恐れがある。なお、核実験だけの実績から考えると、最大評価は米シンクタンク、科学国際安全保障研究所(ISIS)の研究者らによってノドンにおける核弾頭化は可能というもので、最小評価は「ファットマン規模の大きさの10キロトン程度の原子爆弾を保有」との評価である。 また、朝鮮人民軍が大量破壊兵器と弾道ミサイルのほかに傾注しているのが特殊部隊および土台人の育成であり、陸海空軍および朝鮮労働党が有する特殊部隊員の兵力は世界最大規模である。2010年5月5日、5万人余りの朝鮮人民軍の特殊部隊が、38度線の休戦ライン近くの最前線に配置されたという報道が出た。韓国政府筋は、北朝鮮が有事の際に土台人の手引きのもと韓国に潜入、特殊部隊を活用した奇襲作戦を敢行し、韓国軍を霍乱させる狙いがあるとしている。 右下の写真は板門店の軍事境界線を警備する朝鮮人民軍兵士であり、北朝鮮側から撮影されたものである。奥の二人の兵士の足元にあるコンクリートの帯が軍事境界線を表している。「二人の兵士はお互いが、手前の兵士は北朝鮮国民が、それぞれ境界線を越えて脱走しないように監視している」と言うのが韓国・米連合軍の解釈である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「朝鮮人民軍」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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