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朝鮮民主主義人民共和国ウォン(ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこくウォン)は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の通貨単位。別名北朝鮮ウォン。 北朝鮮では漢字表記が廃止されているために公式な漢字表記は存在しないが、中国語圏においては繁体字で「」または「」、簡体字で「」または「」と書く。 韓国ウォンと共通の事柄(名称、分断前の歴史など)についてはウォンも参照。 == 概要 == ソ連軍政下、北朝鮮のウォン(北朝鮮中央銀行券)は1947年12月6日、それまで流通していた朝鮮銀行券(日本統治時代の通貨)と置き換える形で導入された(表に保障文言「本銀行券は銀行所有の金貴金属およびその他財産もしくは北朝鮮人民委員会の保証書でもってこれを保障する」、裏に民主朝鮮とハングル表記)。 北朝鮮中央銀行は、朝鮮民主主義人民共和国中央銀行と改称し、1959年には通貨切り下げ(デノミネーション)が行われ、それまでの100ウォンを新しい1ウォンと交換している。以後、2009年までこの新ウォンが通用した。政府は1979年と1992年に新紙幣を発行し、それまでの紙幣と1対1で交換させる改革を行っている。 米外交専門誌のは、世界で最も価値が低い通貨に選定している〔2007年6月14日 西日本新聞夕刊〕。 2009年11月30日には、1959年以来の新しい北朝鮮ウォンが導入され、交換比率100対1の通貨切り下げが行われた〔共同通信「北朝鮮がデノミ、100対1 外国大使館に通知 」2009年12月1日〕〔AFPBB News「北朝鮮が17年ぶりにデノミ断行、市民はパニックに 韓国報道 」2009年12月1日〕。タンス預金の発覚を恐れた市民が、人民元や米ドルへの両替を求めて闇市に殺到、大混乱に陥った。外貨流通の突然の停止と物資の絶対的不足により、北朝鮮の市場は閉鎖され、商品の流通は麻痺状態に陥り、デノミネーションの直後からハイパーインフレーションになった。新ウォン価値はデノミネーション実施2ヶ月で、10分の1以下になったようである〔中央日報「北朝鮮、貨幣改革から2カ月…異常なまでの影響 」2010年2月4日〕〔中央日報「北朝鮮の新貨幣、2カ月間で10分の1に暴落 」2010年2月10日〕。 2010年2月5日、北朝鮮の金英逸首相は、平壌人民文化宮殿において、人民班長などに対し今回の貨幣改革で、準備や情勢判断の不備と人民に苦痛を与えたことについて異例の謝罪を行い、誤った措置を是正する意向を示したといわれる〔朝鮮日報「北朝鮮デノミ:金英逸首相、人民班長らを前に謝罪 」2010年2月11日〕。そして、2010年3月12日には、朝鮮労働党計画財政部長朴南基が、デノミネーションに伴う経済混乱の責任を問われ処刑された。また、2013年12月に粛清された張成沢の処刑理由の一つには、朴南基をそそのかしたというものがある。 北朝鮮の住民は、1990年代より慢性的な飢饉に苦しめられており、その対策として、闇市などの資本主義による手法で、北朝鮮ウォンを銀行に預金せず、タンス預金していた。しかし北朝鮮の人々は、このデノミネーションによって、突如として溜め込んでいた資金が紙屑になる苦難を味わった。このため、デノミネーション以降、北朝鮮の住民は自国通貨を信用しなくなり、人民元や米ドルやユーロや日本円など、外国の通貨を求めるようになった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「朝鮮民主主義人民共和国ウォン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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