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朝鮮民主主義人民共和国国防委員会(ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこくこくぼういいんかい)は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)における国家主権の最高国防指導機関。直属の人民武力部、人民保安部、国家安全保衛部を司る〔「保衛部が金正恩肖像画を掲げさせて欲しいと」人民武力部が保衛部よりも先手…機関の忠誠競争に火」 デイリーNK 2011年12月27日〕。 == 概要 == 国防委員会は、1972年12月27日採択の朝鮮民主主義人民共和国社会主義憲法によって設置された。設立当初は中央人民委員会傘下の部門別委員会であり、国防委員長は憲法の規定により国家主席が兼任した。 1990年5月24日に開催された第9期最高人民会議第1回会議の決議により、国防委員会は中央人民委員会から分離されて独立機関に格上げされ、「中央人民委員会国防委員会」から「朝鮮民主主義人民共和国国防委員会」へと改組された。同日の最高人民会議では国家主席以下の要職の選出が行われたが、国家主席・国家副主席に続いて国防委員会、そして中央人民委員会の構成員の順で選出されており、国防委員会は中央人民委員会よりも上位の機関であることが示された〔平井(2010年)、39ページ。〕。国防委員長は憲法の規定によって国家主席の金日成が兼任していたが、1992年4月9日の憲法改正によって国家主席と国防委員長の兼職規定が削除され、翌年4月9日、金日成に代わって金正日が国防委員長に就任した。なお、この憲法改正によって「朝鮮民主主義人民共和国国防委員会」の節が設けられ、国防委員会は「国家主権の最高軍事指導機関」と規定された。 1994年に金日成が死去し、金正日が最高指導者の地位を継承した。金正日は国防委員会を通じた権力掌握の制度的基盤を構築する。1998年9月5日の第10期最高人民会議第1回会議において憲法が改正され、国防委員会は「国家主権の最高軍事指導機関かつ全般的国防管理機関」として位置づけられ、人民武力部〔1998年憲法制定による国家機構の再編により、国防委員会は中央人民委員会(同憲法制定により廃止)に所属していた人民武力部を傘下に収めた。〕(国防省に相当)を中心とする国防部門の中央機関の設置・廃止、重要軍事幹部の任免、戦時状態と動員令の布告などを行うことが規定された。そして、国防委員長は憲法上の職権として国家の一切の武力を指揮・統率して国防事業全般を指導することが定められた。国防委員長の職権は憲法上では軍事部門に限定されたが、同日の会議において国防委員長の選出は、憲法改正によって対外的な国家元首として位置づけられた最高人民会議常任委員長など他の国家幹部の選出に先立って行われ、代議員の金永南(同日、最高人民会議常任委員長に就任)が、金正日を国防委員長に「推戴」する演説で国防委員長を「国家の最高職責」と宣言し、「国の政治・軍事・経済力の全般を建設、指揮する」と規定した〔平井(2010年)、76 - 77ページ。〕。かくして国防委員長は憲法に規定はないものの、実質的な国家元首として位置づけられた。金日成の死後、2010年9月の朝鮮労働党代表者会の開催まで、北朝鮮の指導政党である朝鮮労働党の最高意思決定機関である中央委員会政治局は機能不全に陥っていたが、日本のジャーナリストである平井久志(共同通信社編集委員兼論説委員)は、金正日は実質的に活動している党政治局員と国防委員会の構成員とで「非常評議委員会」のようなものを構成し、機関の決定を行っていたと推測している〔平井(2010年)、80ページ。〕。これによれば、国防委員会は国家の最高軍事指導機関であるのみならず、朝鮮労働党政治局を代行し、北朝鮮の事実上の政策決定機関となっていたことになる。なお、2008年9月8日に開催された建国60周年慶祝中央報告大会において党中央委員会・党中央軍事委員会・国防委員会・最高人民会議常任委員会・内閣の連名で発表された「偉大な領導者、金正日同志に捧げる祝賀文」では、国防委員会は「国家領導体系の中枢」と表現されている〔平井(2010年)、82 - 83ページ。〕。 2007年頃より国防委員会の内部組織が整備されていった。専従の事務局である「常務局」が設置され、この下に外事局・行政局・スポークスマンが設けられた。そして軍人だけでなく党官僚も参事などとして配置されるようになった〔平井(2010年)、82ページ。〕。 2009年4月9日の憲法改正では国防委員長の権限が拡大され、「国家の最高指導者」として規定された。そして国防委員会には国家の重要政策の決定権が付与されることになった。 2011年12月17日に金正日が死去すると国防委員長は空席となり、翌2012年4月13日に開催された第12期最高人民会議第5回会議の決議によって金正日が「永遠の国防委員長」として位置づけられ、同職は事実上廃止された。そして、国防委員会の首位として新たに「国防委員会第一委員長」の職が設けられ、金正日の三男で後継者となった金正恩が「推戴」された〔「正恩氏、国防委第1委員長に就任=金総書記は『永遠の国防委員長』-北朝鮮 」時事通信(時事ドットコム)、2012年4月13日付配信記事(2012年4月13日閲覧)。〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「朝鮮民主主義人民共和国国防委員会」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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