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(n) woodblock print =========================== ・ 木 : [き] 【名詞】 1. tree 2. wood 3. timber ・ 木版 : [もくはん] 【名詞】 1. wood-block printing 2. wood engraving ・ 木版画 : [もくはんが] (n) woodblock print ・ 版 : [はん] 【名詞】 1. edition 2. version ・ 版画 : [はんが] 【名詞】 1. art print ・ 画 : [かく, が] 【名詞】 1. stroke
木版画(もくはんが)とは、木製の原版によって制作される凸版画のこと。 原版は、版木(はんぎ)、板木(はんぎ)、彫板(えりいた)、形木(かたぎ)、摺り形木(すりかたぎ)などと呼び、主に彫刻刀で溝を彫り、凹凸をつけることによって作られる。印刷物であり、なかでも優れたものは美術作品である。英語では ウッドカット(woodcut)もしくは、シログラフ(xylograph) と言う。 == 世界の木版画 == 世界最古の木版(または銅版)による印刷物としては、奈良時代に称徳天皇の発願によって作られ、法隆寺に保存されている「百万塔陀羅尼文」が知られている。これは天平宝字8年(764年)、延命や除災のために書かれた4種類の経典をそれぞれ木版で印刷し、高さ14cmほどの小さな塔に納めたもので、仏教の流布の目的で制作された。しかし、文字のみを印刷しており、絵画作品ではなかった。木版画の誕生は、江戸時代、慶長期に京都において角倉素庵により、嵯峨本に初めて挿絵が入れられたことからであり、『伊勢物語』などに稚拙な絵が添えられていた。この嵯峨本を契機として、井原西鶴などの仮名草子の挿絵に木版技術が使用される様になっていった。その後、万治、寛文の頃になると、出版文化の中心が京から江戸に移り行き、金平本や各種評判記が出版され活況を呈した。そして、延宝期になって初めて浮世絵師、菱川師宣の名を記した冊子の挿絵が現れ、ここから独立して鑑賞用の木版画による一枚絵が版行されるようになったのであった。版木には日本独自の良質の桜材が使用されており、また、良質の和紙にも恵まれ、これらを生かす道具が唯一の馬連であったため、この馬連が独自に発達したのも自然な現象であった。 現在知られている最古の木版画は、中国の敦煌の金剛般若経の扉絵で、唐の時代、咸通9年(866年)に製作されたものであろうといわれる。ただし、これは精緻な出来栄えであるので、実際の木版画の誕生は更に数百年も遡るものと考えられる。その後、中国、日本ともにそれぞれ製紙の発達をみ、木版技術も進歩したが、その大半は信仰に関係していた。中国では、主に版木に梨や棗が使用されていた。 一方、ヨーロッパにおける古い木版画は、現存するものでは14世紀末にまで遡る。ヨーロッパにおいては、版木に梨、胡桃、あるいは柘植が使用され、東洋における桜、梨、棗とは異なっていた。彫刻刀は東洋のものと似たようなものが使われ、紙をのせ、刷毛またはタンポのようなもの(ぼろや毛を皮で包んだ用具)で擦ったようである。あとから着色するようになったのも、日本の初期版画と似ていた。しかし、グーテンベルクにより、1434年から1444年頃、印刷機が発明されると版木が金属活字と一緒に油性インクで摺られるようになり、刷毛で擦るのではなく、プレスという方法に変わる。そして、版木も銅板に置き換えられることにより、銅版画への道がひらけていった。この点は、東洋の場合とはっきり異なっていた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「木版画」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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