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こけしは、江戸時代末期(天保から嘉永期)頃から、東北地方の温泉地において湯治客に土産物として売られるようになった轆轤(ろくろ)挽きの木製の人形玩具。一般的には、球形の頭部と円柱の胴だけのシンプルな形態をしている。漢字表記については、名称の節参照。 == 概要 == こけしは本来の発生時の様式に従って作られる『伝統こけし』と、これをもとに新規に発展した『新型こけし』に大きく分かれる。『伝統こけし』は産地・形式・伝承経緯などにより約10種類の系統に分類される。他方『新型こけし』には、工芸的な「創作こけし」と、東北に限らず全国の観光地で土産品として売られている「こけし人形」がある。 本来の玩具として発生したこけしは、幼児が握り易いように、胴の太さも子供の手に合わせた直径であった。したがって立たないこけしもあった。ただし、鳴子のこけしは、かなり初期の段階から、雛祭りの折に雛壇に飾るような使われ方をしたとみられ、立てて安定なように胴は太く作られていた。いずれにしても本来は湯治の土産物であり、子供の手に渡っておもちゃの人形、すなわち弄び物として使われたものであった。二つ折りの座布団にこけしを挟んで、それを背負いながらままごと遊びをする女児を良く見かけたという記録もある。江戸末期から明治の末年までが、おもちゃとしてのこけしの最盛期であった。 しかし、大正期になると、こけしは、キューピーなどの新興玩具に押されて衰退し、転業休業する工人も増えたが、一方でこのころから趣味人が好んでこけしを蒐集するようになり、子供の玩具から大人の翫賞物として継続してその命脈を保つことが出来た。東京、名古屋、大阪にこけしを集める蒐集家の集まりが出来て、一時休業した工人にも再開を促し、かなりの作者の作品が幸いにも今日まで残ることとなった。 大人の翫賞物として集められるこけしは、棚等に立てて並べられ、鑑賞される場合が多い。そのため、やや胴を太く作ったり、作並のように細い胴の場合には下部に倒れ防止用の台をつける等の工夫も行われた。伝統こけしといっても、その形態や描彩は時代の流行や、新型こけしの影響も受け、需要の要請に応じて幾分変化を遂げている。 一方で、蒐集家によっては、子供の玩具時代の古い様式を望むものもいて、その工人の師匠、先代。数代前の工人のこけしの型を、復元するよう依頼することも行われる。それらは誰それの型の復元こけしと呼ばれる。 毎年9月の第1土曜日曜には、宮城県大崎市鳴子において「全国こけし祭り」が開かれ、コンクールや工人の製作実演が行なわれる。 また5月3日から5日まで、宮城県白石市において「全日本こけしコンクール」が開催される。最も優れた作品には、最高賞として内閣総理大臣賞が授与される。10月には山形県山形市で「みちのくこけしまつり」が開催され、コンクールも行われる。この三つがこけしの三大コンクールと呼ばれる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「こけし」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Kokeshi 」があります。 スポンサード リンク
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