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建築士(けんちくし、英語: Architect)とは、建築物の設計及び工事監理を行う職業、あるいはその資格を持った者である。 == 概要 == 欧州の産業革命により発展した工業技術は明治維新の日本に持ち込まれ、それまで木造が主流であった日本に組石造や鉄筋コンクリート造の建築物が建てられるようになった。 従来の日本では大工の棟梁が設計と施工を統括していたが、欧州では設計と施工の職域が独立していた。 明治維新の先進的な建築では技術の見識を持つ建築家が設計を担当し施工者を指導して目的の性能を持つ建築物を完成させる分業が始まった。 その後は鉄骨造や幕構造など建築の構法が多様化し職域の専門化と分業化が進んでいる。 近年では意匠と構造と設備に独立した統括者を置くなど設計監理業務が組織化し企業化する傾向にある。 建築物の製造者責任と完成後の維持保全についても社会的関心が高まり、資格者である1人の建築士が全ての責任を負うべきか議論が必要になっている。 建築物の大規模化や複雑化が進むことで建築統括者の役割が必要となる。やがてアーキテクトと呼ばれる職業が生まれたが、その後資格の問題が生じた。 日本では建築士という資格名称で、建築物の質の向上に寄与するため、建築士法(昭和25年5月24日法律第202号)に拠って国家資格として定められた。建築士は「一級建築士、二級建築士及び木造建築士をいう」と定義されており、それぞれの建築士は「建築士の名称を用いて、建築物に関し、設計、工事監理その他の業務を行う者をいう」と定義されている。 建築物の設計及び工事監理は公共の安全に重大な影響をもたらす。このため、一定の教育と経験がなければ建築士受験要件とはならない。 各国でいくつか相違があるが、それぞれの言語でアーキテクトを意味する名称(日本語 建築士、中国語 、、スペイン語 Arquitecto、英語 Architect、ドイツ語 Architekt等)を法的使用制限を設けている場合、免許を受けた資格者のみが使うことを許されている。 日本では建築物の設計及び工事監理は、大工などの職人がその役割を担っていた。このため従来から日本の建築業については設計施工一貫方式が社会的には行われており、社会的慣習として設計者の地位は確立していなかったにもかかわらず、建築基準法の施行に合わせて、法的な資格として定めた経緯がある。 日本で建築士が生まれた起源は官製の職業である意味合いが強い。 施主である建築主は工事を請け負わせる建築業者に間取りや意匠への期待を求めるが、建築業者は建築主から求められる期待と経営計画に見合う工事費や工期ばかりを重視する余り安全性への配慮を怠る危険性がある。 建築主の意識が及ばない技術領域での安全性を確保し、国民の財産と生命と健康を守るために建築基準法が設けられ、建築基準法の目的を実現する手法として建築士制度が生まれた。 建築士は、建築主の生活の豊かさへの願望を受け止め、企業の営利目的を設計に反映させるが、安全安心への配慮は行政の許認可で守られる制度となっている。 建築士は、建築主の期待を反映させる職業であるが、行政の役割の一端を担う立場に在るため社会的な評価が伴わない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「建築士」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Professional requirements for architects 」があります。 スポンサード リンク
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