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末端小粒 : ミニ英和和英辞書
末端小粒[つぶ]
telomere
===========================
: [まつ]
  1. (n-adv,n) the end of 2. powder 
末端 : [まったん]
 【名詞】 1. end 2. tip 3. extremities 
: [はし]
 【名詞】 1. end (e.g., of street) 2. edge 3. tip 4. margin 5. point
小粒 : [こつぶ]
  1. (adj-na,n) small grain 2. small stature or ability
: [つぶ]
  1. (n,n-suf) grain 
末端小粒 ( リダイレクト:テロメア ) : ウィキペディア日本語版
テロメア[つぶ]

テロメア (''telomere'') は真核生物染色体の末端部にある構造。染色体末端を保護する役目をもつ。telomere はギリシア語で「末端」を意味する (''telos'') と「部分」を意味する (''meros'') から作られた語である。末端小粒(まったんしょうりゅう)とも訳される。

== 概要 ==
テロメアは特徴的な繰り返し配列をもつDNAと、様々なタンパク質からなる構造である。DNAは5'末端から3'末端に向かって複製される(DNA複製参照)。したがって、鋳型DNAの片方はDNA二重鎖がほどけると同時に複製されるが、もう片方は何度もDNAポリメラーゼ(DNAを複製)が働くこととなり、どうしても複製できない部分が残ってしまう。それをおぎなうために無意味な繰り返し配列=テロメアがあるのである。
真核生物染色体は直線状であり、DNAには末端が存在する。細胞内に存在するテロメア以外のDNA末端は、感染したウイルスに由来するものや、DNA損傷による切断によって生じたものである。これらの末端は細胞がもつDNA分解酵素DNA修復機構の標的となるが、テロメアのDNA末端は正常なものであり、このような分解や修復を受けてはならない。そのためテロメアはその特異な構造により、DNAの分解や修復から染色体を保護し、物理的および遺伝的な安定性を保つ働きをする。テロメアを欠いた染色体は、細胞によって異常なDNA末端と見なされ、酵素による分解や、修復機構による染色体末端どうしの異常な融合が起こる。このような染色体の不安定化は細胞死や発ガンの原因となる。また、テロメアは細胞分裂における染色体の正常な分配に必要とされる。
テロメアの伸長はテロメラーゼと呼ばれる酵素によって行われる。この酵素がない細胞では、細胞分裂のたびにテロメアが短くなる。テロメラーゼはヒト体細胞では発現していないか、弱い活性しかもたない。そのため、ヒトの体細胞を取り出して培養すると、テロメアの短縮が起こる。テロメアが一定長より短くなると不可逆的に増殖を止め、細胞老化と呼ばれる状態になる。細胞老化は細胞分裂を止めることで、前述のようなテロメア欠失による染色体の不安定化が起こることを阻止し、発ガンなどから細胞を守る働きがあると考えられている。
テロメアの短縮は細胞老化の十分条件ではあるものの必要条件ではない。また老化した動物やクローン羊ドリーではテロメアが短かったことが報告されており、テロメア短縮による細胞の老化が、個体の老化の原因となることが示唆されているが、個体老化とテロメア短縮による細胞老化との関連性は現段階では明らかではない。
なお、テロメアの構造・長さ・配列・維持機構などは生物種によって多様であり、本項目では主にヒトマウス出芽酵母について述べる。また、原核生物ミトコンドリアなどの染色体は環状で末端がないため、テロメアも存在しない。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「テロメア」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Telomere 」があります。




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