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本佐録(ほんさろく)とは、江戸時代初期に天下国家の統治について記した書。古くから本多佐渡守正信の著作と伝えられ、書名それに由来しているが、藤原惺窩の著作とする説もある。また、書名も『治国大概』『天下国家之要録』などの別名がある。 == 概要 == 早い時期から著者を本多正信とする説には異論があり、これに対して木下順庵は同書を「王道の最中」と評して、儒教と現実政治に通じた人物の著作であるとして徳川家康・秀忠に仕えた正信の著作と考えるのが相応しいとする説を唱え、その門人である室鳩巣と新井白石はそれぞれ『題言』・『本佐録考』を著してこれを肯定した。だが、客観的に正信の著作であることを証明するには至っていない。 だが、これに対して藤原惺窩の著作である『仮名性理』の記述に類似した表現や記述が見られ、両者を同一人による著作とする説もある。だが、この説も『仮名性理』そのものが惺窩の著作であることを疑問視する説もあり、『仮名性理』の著作と同一人物の著作であったとしてもただちに惺窩の著作とすることはできないとする説もある。従って、実際の著者については現時点では不詳である。 「天道を知る事」、「身を瑞する〔〈ただする〉〕事」、「諸侍の善悪を知る事」「国持の心を知る事」「家を継べき子をえらび、後見の人、おとなやくの人をえらぶ事」、「百姓仕置の事」、「異国と日本の事」の7か条から成り立っており、天下を持つ人(=天下人・将軍)が「天道」を重んじながら政治を統治をしていく上で重要なことが説かれている。なお、ここにおける独自の「天道」観はキリスト教の影響を受けているとする説もある〔高木『日本史大事典』〕。 なお、同書においてしばしば取り上げられる「百姓は財の余らぬように不足になきように治むる事、道なり」という言葉は、本来は社会秩序の安定のための方策として説かれたもので、後世に言われるような農民への重税・圧制を肯定したものではないとされている〔尾藤「国史大辞典」〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「本佐録」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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