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『朱子学大系』(しゅしがくたいけい)は、明徳出版社から刊行された朱子学に関する古典文献を翻訳(書き下し)して収録した叢書。全15巻、既刊14巻、月報付き。本大系は『陽明学大系』(全11巻別巻1)の後を承け、陽明学の前提であり、また日本・朝鮮にも影響を与えた朱子学の全貌を、一般読者に提供すべく編纂されたものである。編修・翻訳(書き下し)には荒木見悟・岡田武彦・山下龍二などの当時を代表する学者が加わった。ただ『陽明学大系』が比較的充実した内容を保持したのに対し、朱子学は対象範囲が大きく、必ずしも本大系によって網羅的解説ができたわけではない。また、実際の翻訳に際しては、助手などが加わっているため、翻訳内容に精粗の差がある。 ==各巻の構成== 第1巻は、朱子学全般を論じた論文集『朱子学入門』である。これ以下の巻は、全て古典文献の翻訳である。翻訳の形式は書き下し文で、翻訳の範囲は特例を除き抄訳である。また原文が巻末に添付されている。 第2巻第3巻は、朱熹の先駆者を取り上げた『朱子の先駆』であるが、朱子学の系譜上に存在する周敦頤・程顥・程頤・張載などは上巻に、程門(楊時・謝良佐など)は下巻に収められた。ただ本巻には張栻などの朱熹と同時代人も収録されている。 第4巻から第9巻までは朱熹の著書を収めている。まず第4巻第5巻は朱熹の『文集』(詩、書簡や論文を集めたもの。正式には『晦庵先生朱文公文集』という)を収め、第6巻は朱熹の発言集『朱子語類』(正式には『朱子語類大全』という)が収められた。『朱子語類』というのは、朱熹の日頃の発言(学問や政治批判を含む)を弟子が書き留めたものである。なお『朱子語類』は伝統的な漢文で書かれていないため、本巻のみ書き下しではなく口語訳になっている。次いで第7巻第8巻で朱熹の主著『四書集注』の全文を収める。第9巻は朱熹とその友人呂祖謙が編纂した『近思録』の全文を収める。 第10巻第11巻は、朱熹の弟子および後世の朱子学者の文章を収めている。第10巻は真徳秀などの朱熹の弟子及び私淑の弟子を収め、第11巻は明朝・清朝の朱子学者の文献を収めている。第12巻第13巻は、日本と朝鮮の朱子学者を収める。第12巻は李退渓などの朝鮮の朱子学者と、日本の朱子学者の中でも特に崎門学派に属する学者(佐藤直方、浅見絅斎、三宅尚斎など)を収めている。第13巻には林羅山などの日本の朱子学者を収めている。第14巻は、『陽明学大系』の『幕末維新陽明学者書簡集』の朱子学版である。佐藤一斎の門下を中心とした書簡が収めている。 第15巻は、本来は全巻を通した索引と朱子学研究の状況を収めるはずであったが、編集者の死去などにともない、未だ出版されていない。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「朱子学大系」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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