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東武5700系電車(とうぶ5700けいでんしゃ)は、かつて東武鉄道に在籍していた車両。特急用として製造され、後に急行・快速向けとなったが、廃車となるまで40年の長期にわたって優等列車に使用され続けた。 == 概要 == 1946年の国鉄63系電車導入開始で始まった東武本線の戦後復興は、1948年に一つの転機を迎えることとなった。 国鉄から借り入れた二等客車2両を、前後から1両ずつ自社の電車で挟んだ4両編成による連合軍専用列車としてこの年にダイヤ上復活した日光・鬼怒川温泉行き特急列車において、避暑客でにぎわう8月より「華厳」・「鬼怒」という愛称をつけた上で、東武の自社保有車両については日本人一般乗客の乗車が認められるようになったためである〔RP537 p.125 金野智「デハ10系とその頃の東武電車」〕。 もっとも、世相は一時の絶望的な物資不足を脱し、ようやく安定の方向へ向かいつつあったものの、通勤用の一般車でさえ運輸省が制定した規格形車両以外の製造が困難な当時の状況下では、特急運用に用いるのに適した車両を新造するのは至難の業であった。そのため、この記念すべき戦後初の一般向け特急列車には、1937年(昭和12年)から1939年にかけて製造されたモハ5310形(元デハ11・12形)・クハ350形(元クハ11・12形)を整備の上で充当することとなった。だが、これらは戦時中にロングシート装備の一般車に格下げされ、戦時中の酷使などもあって荒廃していたものを整備の上で再度固定クロスシート装備に改造しており〔RP537 pp.122-126 金野智「デハ10系とその頃の東武電車」〕、規格形電車とはいえ2扉転換クロスシート車として新造された2000形を箱根特急に充当する小田急電鉄などと比較すると、特急用車両として設備面での見劣りは否めなかった。 しかも、この時期には国鉄が1950年(昭和25年)6月より上野 - 日光間で快速「にっこう」の運行を開始するなど、日光線の優等列車運行について積極姿勢を示し、国鉄と東武の間では競合が激しくなりつつあった。 そこで、東武鉄道は接客設備の改善による乗客の増加をもくろんで本格的な特急用車両の導入を決定、1951年(昭和26年)と1953年の2回に分けて以下の12両を新造した。 *1951年9月竣工分 *日本車輌製造東京支店製 *モハ5700形5700 *浅草寄り制御電動車(Mc) *クハ700形700 *クハ710形710 *日光・鬼怒川温泉寄り制御車(Tc) *汽車製造東京製作所製 *モハ5700形5701 *モハ5710形5710 *浅草寄り制御電動車(Mc) *クハ700形701 *日光・鬼怒川温泉寄り制御車(Tc) *1953年4月竣工分 *日本車輌製造東京支店製 *モハ5720形5720 *浅草寄り制御電動車(Mc) *クハ720形720 *日光・鬼怒川温泉寄り制御車(Tc) *汽車製造東京製作所製 *モハ5720形5721 *浅草寄り制御電動車(Mc) *クハ720形721 *日光・鬼怒川温泉寄り制御車(Tc) *ナニワ工機製 *モハ5710形5711 *浅草寄り制御電動車(Mc) *クハ710形711 *日光・鬼怒川温泉寄り制御車(Tc) これらは機能の相違から非貫通構造の運転台を備えるモハ5700形+クハ700形がA編成、貫通構造のモハ5710形+クハ710形がB編成、そしてB編成と同等の車体に設計当時最新の直角カルダン駆動装置を搭載したモハ5720形+クハ720形がC編成、とそれぞれ呼称した。 なお、これらの形式称号は千の位で主電動機定格出力を、百の位で制御器の種類を、そして10の位で車両の用途を、それぞれ示すこの時代の東武鉄道の車両形式称号付番規則に従ったものである。これより、例えばモハ5700形5701は「定格出力110kW級電動機(5)と日立製作所MMC多段電動カム軸式自動加速制御器(7)を備えた最初の旅客用形式(0)の2番目の車両(1)」となるが、後述するように本系列は東洋電機製造製の制御器を搭載しており、理由は不明であるがこの規則からやや外れた付番となっている〔RP537 p.171 吉川文夫「東武5700系ものがたり」〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「東武5700系電車」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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