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東莞市(とうかんし、ドングァンし、中国語:东莞市、英語:Dongguan、歴史的表記 Tongkun〔『廣東政區及郵政式廣東地名一覽』、1947年〕)は中華人民共和国広東省中部にある地級市。28の鎮と行政の中心である区で構成される。 == 地理 == 東莞市の面積は2465平方キロメートルで、ほぼ日本の佐賀県に匹敵する。南北では50km、東西では70kmほどの広がりがある。人口は822万(2010年)。唐代の757年に、番禺(広州)の東にある、「莞草」(イグサ)の産地として「東莞」と名付けられた。 珠江デルタの北東部に位置し、古くから莞城鎮(現莞城区)と、珠江、東江などの水運の要地である虎門鎮を中心に街が形成されていたが、現在の市域の多くは赤土が広がる貧しい農村だった。しかし、1980年代末に改革開放政策が取られてからは、広州と深圳、香港の中間に位置することから、香港企業、台湾企業の委託加工先や工場建設の好適地として、衣料品、日用雑貨、玩具、電子製品、パソコンまで、重工業以外の各種工場が林立する工業地帯に変貌した。特に、パソコン部品は世界の供給拠点として重要な地位を占める。また、輸出に必要な包装用段ボールを製造するための製紙工業もさかんで、中国最大の工場群もある。 農業では稲作の他、野菜栽培が盛んで、香港、広州、深圳などへの重要な供給基地のひとつとなっている。 旧来東莞に住み、本籍を持つ住民の人口は2012年末現在で約180万人〔であるが、広東語の下位方言である「東莞話」(とうかんわ)を話す地区と、樟木頭鎮、清渓鎮などの東莞市東部や深圳に近い丘陵地帯に点在する客家語を話す地区に別れる。しかし現在は、湖南省、四川省など、省外からの流入人口(2012年末時点で約650万人〔)が多く、標準語が広く通用している。 産業の発達に伴い出稼ぎ労働者が急増し、それに伴いそれら男性相手の売春女性が増加したため、2010年代に入り「性都」の異名を取るほど性風俗産業が発達した。一説にはその規模は同市のGDPの10%に相当する500億元(約8500億円)にも達すると言われる〔。その中には周辺地域の高級官僚や関係者が関与しているものも確認されたため、2014年2月に関連施設の一斉摘発が行われ、1000人あまりが逮捕された。この摘発により風俗産業は壊滅し、一般のサービス産業などの客足も落ち込むなど地域経済に大きな打撃が及んだ結果、数10万人が東莞市を去ったとする報道がなされた。 これに対し、「出稼ぎ労働者の性的欲求をどう解消するのか」「女性側でさえ性的欲求のはけ口を求めている」という根本的な問題は全くの手付かずであり、「摘発は単なる一時しのぎにすぎない」との批判もある〔潜入取材で暴露”性の都”東莞市の実態 - 日経ビジネス・2014年2月17日〕。また、もともと東莞市はこの摘発より前から、ベトナム、カンボジア、バングラデシュなど、より人件費が安価な国に工場が移転するなど空洞化しており、これに風俗産業の摘発が重なり、経済に広範囲の打撃を受けている〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「東莞市」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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