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松輸送 : ミニ英和和英辞書
松輸送[まつゆそう]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [まつ]
 【名詞】 1. (1) pine tree 2. (2) highest (of a three-tier ranking system) 

松輸送 : ウィキペディア日本語版
松輸送[まつゆそう]
松輸送(まつゆそう)は、太平洋戦争中の1944年前半に日本軍が行った中部太平洋方面への増援部隊輸送作戦である。絶対国防圏と位置付けられたマリアナ諸島などの守備隊を強化するため、満州などから転用された地上部隊や軍需物資が松船団と総称される11回の護送船団で運ばれた。アメリカ海軍潜水艦で妨害を試みたが、日本側の損害は少なく一応の成功を収めた。松輸送で運ばれた部隊が、サイパンの戦いペリリューの戦いで日本軍守備隊の主力となった。
== 背景 ==

太平洋戦争の戦局が次第に不利になった日本は、1943年(昭和18年)9月に絶対国防圏と称する防衛線を設定し、戦線の縮小を図る方針を決めた。絶対国防圏を守備する地上部隊を運ぶため、商船25万総トンが新たに軍用輸送船として徴用された〔防衛庁防衛研修所戦史室(1967年)、140-141頁。〕。
ところが、日本海軍は絶対国防圏外であるマーシャル諸島海域での艦隊決戦構想にこだわり、ラバウルなど絶対国防圏外の拠点の守備強化を優先した。その結果、25万トンの新規徴用輸送船も、本来の目的以外に多くを消耗してしまった〔大井(2001年)、196頁。〕。絶対国防圏の防備の手薄さは、邀撃戦ではなく遭遇戦と自嘲されるほどであった〔大井(2001年)、216頁。〕。1944年(昭和19年)2月17-18日、ようやく絶対国防圏外縁の海軍根拠地トラック島(チューク諸島)への第52師団輸送が始まったところで、トラック島空襲を受け同島は壊滅的な打撃を被った。トラック島空襲では輸送船20万総トンが一挙に失われ、輸送中の第52師団第2陣も海没した〔防衛庁防衛研修所戦史室(1967年)、256-257頁。〕。
トラック島空襲に続く2月23日のマリアナ諸島空襲エニウェトク陥落と中部太平洋方面でのアメリカ軍の急速な侵攻を迎えた日本の大本営は、絶対国防圏をマリアナ諸島=中西部カロリン諸島の線まで後退させる新戦略を決めた。日本海軍も、トラック島根拠地の壊滅を見て、ようやくマリアナ諸島での決戦に方針を変えた〔防衛庁防衛研修所戦史室(1967年)、244頁。〕。日本陸軍は中部太平洋を担当する第31軍を新設し、すでに派遣内定していた第14師団第29師団に加え、関東軍などからさらに多数の部隊を抽出して増援に送ることを決めた。増援用の輸送船確保のため、2月から4月まで毎月10万総トンの商船追加徴用も決定された〔防衛庁防衛研修所戦史室(1967年)、276・299頁。〕。
増援部隊派遣が決まったと言っても、実際の海上輸送は容易な情勢ではなかった。マリアナ諸島を次の攻略目標と決めたアメリカ軍は、日本近海からマリアナ諸島周辺に潜水艦を展開させ、日本の増援輸送を妨害しようとしていた。アメリカ潜水艦は、1943年末頃から魚雷の性能が改善され、ウルフパックを組んだ集団戦術を用いるなど攻撃力が高まりつつあった。マリアナ諸島に向けて出航した第29師団乗船の船団(軍隊輸送船3隻・駆逐艦3隻)は、2月29日から3月1日にかけて潜水艦攻撃を受け、テニアン島行きの崎戸丸日本郵船:9245総トン)が沈没、歩兵第18連隊長以下2317人戦死・570人重傷の大損害を受けていた〔防衛庁防衛研修所戦史室(1967年)、305頁。〕。なお、この崎戸丸船団を松輸送の一部と解説する文献もあるが〔駒宮(1987年)、147頁。〕〔木俣(1991年)、99頁。〕、『戦史叢書』や大井篤の回顧録では松輸送に含んでおらず〔大井(2001年)、217頁。〕、松船団としての番号が無く、時期的にも後述する3月3日の松輸送実施命令(大海指第346号)より早い。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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