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【名詞】 1. coffin 2. casket
棺(かん、ひつぎ、柩)とは、遺体を納めて葬るための容器。木製の場合は木棺(もっかん)、石造の場合は石棺(せっかん)と称される。 俗に、中身が入っていないものを棺、遺体が収められたものを「柩」とする説があるが、遺体が収められたものを家から火葬場に送り出すことを「出棺」(しゅっかん)といったり、棺に「ひつぎ」の訓があるように、「かん」と「ひつぎ」の使い分けはほとんどない。なお、遺体が収められたものを霊柩(れいきゅう)ともいい、それを運ぶための車(自動車)を霊柩車(れいきゅうしゃ)をもいう。 しかし、棺を載せる台を「棺台」(かんだい)、棺を巻いて荘厳する布を「棺巻」(かんまき)と呼ぶため、「故人が入っているものを柩」ということにこだわる場合、「柩を棺台に載せる」という表現になり、文章的に齟齬を来たす。故人が入っているものが「柩」であるのに、その台が「棺」台ということも矛盾がある。しかし、柩台、柩巻とは書かない。 == 日本の棺 == === 歴史 === 弥生時代には、甕棺や憤丘墓に棺が使われた。弥生憤丘墓の棺は短く、内法で2メートル程度の組み合わせ箱形木棺が主流であった。中には底がカーブしており割竹形木棺のような棺もあり、組み合わせ石棺も北九州などにある。 古墳時代には、木棺や石棺が使われた。その形は様々で、木棺では刳り抜き式の割竹形(わりたけがた)、組合せ式箱形、長持形(ながもちがた)などがあり、石棺には割竹形、長持形などがある。 古墳時代に盛行した割竹形木棺(わりたけがたもっかん)は、直径1メートル前後のかなり太い丸木を縦に割り、内部を刳り抜いて大人1人の遺骸を収納できるようにした棺である。この名の由来は、竹を縦にわってつくったように見えることに由来するものと考えられる。舟形木棺(ふながたもっかん)も同じような造り方。棺の長さは平均でも5メートル前後、長いものは8メートルにもおよび、1人の遺骸を納めるには長すぎる。副葬品を入れるためとも思われるが、そればかりではないという意見もある。しかし、3分割して頭部上と足部下に各種品を納めている例もある。材質はコウヤマキが圧倒的に多い。 鎌倉時代からは樽型の棺(座棺)が主流となった。現在も使用されている「棺桶(かんおけ)」という呼称はこの形状に由来する。座棺はまだ火葬が主流になる前、土葬をする際に多く用いられた。戦前の瀬戸内地方を舞台とした映画の『カンゾー先生』でも、遺体を樽状の棺に入れて棒をわたし、男2人で棒を担いで運ぶシーンが登場する。火葬も可能であったがこの棺に対応する火葬場が少なく、薪木を燃料としていた場合は火力も弱かったので、実際に火葬が普及するのは戦後を待たなければならない。今日では土葬の減少もあって、主に寝棺が使われている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「棺」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Coffin 」があります。
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