|
===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ 椿 : [つばき] 【名詞】 1. camellia japonica ・ 発 : [はつ] 1. (n,suf) (1) departure 2. (2) beginning 3. (3) issued by (e.g., document) 4. (4) counter for gunshots ・ 発言 : [はつげん] 1. (n,vs) utterance 2. speech 3. proposal ・ 言 : [げん] 【名詞】 1. word 2. remark 3. statement ・ 事 : [こと] 【名詞】 1. thing 2. matter 3. fact 4. circumstances 5. business 6. reason 7. experience ・ 事件 : [じけん] 【名詞】 1. event 2. affair 3. incident 4. case 5. plot 6. trouble 7. scandal ・ 件 : [くだん, けん] 【名詞】 1. matter 2. case 3. item
椿事件(つばきじけん)とは、1993年に起きた、全国朝日放送(愛称および現社名:テレビ朝日)による放送法違反(政治的な偏向報道)が疑われた事件である。当時テレビ朝日の取締役報道局長であった椿貞良の日本民間放送連盟(民放連)会合での発言に端を発したことからこの名で呼ばれる。 。 == 経緯 == 1993年6月の衆議院解散(嘘つき解散)後、7月18日に第40回衆議院議員総選挙が行われ、与党自由民主党が解散前の議席数を維持したものの過半数を割り、非自民で構成される細川連立政権が誕生。自民党は結党以来初めて野党に転落した。 9月21日、日本民間放送連盟の第6回放送番組調査会の会合が開かれ、その中でテレビ朝日報道局長の椿貞良は、「『ニュースステーション』に圧力をかけ続けてきた自民党守旧派は許せない(山下徳夫厚生大臣が「同番組のスポンサーの商品はボイコットすべきである」と発言した、と椿は主張している〔小田桐誠 『検証・テレビ報道の現場』 現代教養文庫 1544(B-130) ISBN 4390115448、79p〕)」と語り選挙時の局の報道姿勢に関して、 #「小沢一郎氏のけじめをことさらに追及する必要はない。今は自民党政権の存続を絶対に阻止して、なんでもよいから反自民の連立政権を成立させる手助けになるような報道をしようではないか」 #「日本共産党に意見表明の機会を与えることは、かえってフェアネスではない」 との方針で局内をまとめた、という趣旨の発言を行った。また、会合メンバーの一人はこの際に「梶山静六幹事長、佐藤孝行総務会長のツーショットを報道するだけで視聴者に悪代官の印象を与え自民党のイメージダウンになった」〔井沢元彦 『虚報の構造 オオカミ少年の系譜 朝日ジャーナリズムに異議あり』 小学館文庫 [Rい-1-14] ISBN 4094023046、171p。前ページには、10月13日付の産経新聞紙面写真が掲載されている。〕(悪代官と腐敗商人のツーショットは、時代劇では定番のシーンであり、政治家に対して持たれているネガティブなステレオタイプの姿である。これを反復することによって、梶山・佐藤のツーショットが本来の全体的文脈から切り離されて、新たな文脈の下に別の社会的意味が生み出されるのである〔浅川博忠 『戦後政財界三国志』 講談社文庫 [あ-80-8] ISBN 4062748843、190p〕〔藤竹暁 『ワイドショー政治は日本を救えるか テレビの中の仮想政治劇』 ベスト新書 41 ISBN 4584120412、158-161p〕)、「羽田外相=誠実、細川首相=ノーブル、武村官房長官=ムーミンパパのキャラクター」(なので視聴者に良い印象を与えられた)という趣旨を発言するのを聞いた、としている(肩書きはいずれも当時)。 総選挙後、細川内閣支持率の高さを見た加藤紘一が「ウッチャンナンチャンならぬ6チャン(TBS)10チャン(テレビ朝日)の影響だな」とコメントし、非自民政権成立に報道機関が大きな力を持っていたことを裏付けている。なお加藤のこの発言は 『VOW』にも採用された〔宝島編集部 『現代下世話大全 バウ・プラス1 まちのヘンなもの大カタログ』 宝島社 ISBN 4796607625、126p〕。 10月13日、産経新聞が朝刊一面で椿発言を報道〔この報道により産経新聞は1994年度の新聞協会賞を受賞した。〕、各界に大きな波紋を広げる。これを受けて、郵政省放送行政局長の江川晃正は緊急記者会見で、放送法に違反する事実があれば電波法第76条〔電波法違反の無線局及び無線従事者に対する行政処分の実施 - 総務省公式ウェブサイト、2015年8月18日閲覧。〕〔電波法(抜粋) - 放送倫理・番組向上機構公式ウェブサイト、2015年8月18日閲覧。〕に基づく無線局運用停止もありうることを示唆、自民党・共産党は徹底追及の姿勢を明確にする。直後に椿貞良は取締役と報道局長を解任されている。10月25日、衆議院が椿を証人喚問。その中で椿は民放連会合での軽率な発言を陳謝したが、社内への報道内容の具体的な指示については一貫して否定。あくまで偏向報道は行っていないとしている〔川上和久 『情報操作のトリック その歴史と方法』 講談社現代新書 1201 ISBN 4061492012、108-110p。109pには喚問の席での椿の写真が掲載されている。〕。 翌1994年8月29日、テレビ朝日は内部調査の結果を郵政省に報告した。この中でテレビ朝日は、特定の政党を支援する報道を行うための具体的な指示は出ていない旨を改めて強調。この報告を受け郵政省は、テレビ朝日に対する免許取消し等の措置は見送り〔この事件はテレビ朝日系列において『アフタヌーンショー』の「やらせリンチ事件」、『素敵にドキュメント』(朝日放送制作)のやらせ発覚に次ぐ大事件となり、テレビ朝日系列局のイメージダウン(テレビ朝日系番組の視聴率低下など)が一層加速することになった。〕、「役職員の人事管理等を含む経営管理の面で問題があった」として厳重注意する旨の行政指導を行うにとどめた。9月4日、テレビ朝日は一連の事件を整理した特別番組を放送した。 1998年、郵政省はテレビ朝日への再免許の際に、一連の事件を受けて、政治的公平性に細心の注意を払うよう条件を付した。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「椿事件」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|