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数学では、楕円曲線(elliptic curve) とは種数 1 の非特異な射影代数曲線を言う。楕円曲線には、特別な点 ''O'' が存在する。実は、楕円曲線はアーベル多様体である。つまり、代数的に定義された積があり、この積に関して(必ず可換な)群をなす。''O'' が単位元である。''O'' を特定せずに曲線そのものを楕円曲線と呼ぶこともある。 全ての楕円曲線は、次の形の式により定義された非特異な平面代数曲線として書くことができる。〔楕円曲線は、代数幾何学的には、 の中の 3次の平面代数曲線として見ることもできる。このことはリーマン面として見ることもできるし、恒等元に対応する ''O'' をもつ種数 1 の曲線ともみることができ、1次元のアーベル多様体と見ることもできる。〕 : 非特異であるとは、グラフが(cusp)を持ったり、自分自身と交叉したりはしないということである。((coefficient field)の標数が 2 や 3 のとき、上の式は全ての非特異(cubic curves)を表せるほど一般的ではない(詳細な定義は以下を参照)。点 O は実は、射影平面の「無限遠点」である。 ''P'' が重根を持たない次数 3 の多項式として、''y''2 = ''P''(''x'') とすると、種数 1 の非特異平面曲線を得るので、これは楕円曲線である。''P'' が次数 4 で(square-free)とすると、これも種数 1 の平面曲線となるが、しかし、単位元を自然に選び出すことができない。さらに一般的には、単位元として働く有理点を少なくとも一つ持てば、種数 1 の代数曲線、例えば、3次元射影空間へ埋め込まれた 2つの二次曲面の交叉、を楕円曲線と呼ぶ。 楕円関数論を使い、複素数上で定義された楕円曲線はトーラスの(complex projective plane)への埋め込みに対応することを示すことができる。トーラスもアーベル群で、実はこの対応は群同型にもなっている。 楕円曲線は、数論で特に重要で、現在研究されている主要な分野である。例えば、アンドリュー・ワイルズ(Andrew Wiles)により(リチャード・テイラー(Richard Taylor)の支援を得て)証明されたフェルマーの最終定理で使われた。楕円曲線は、楕円暗号(ECC) や素因数分解への応用が見つかっている。 楕円曲線(elliptic curve)は、楕円(ellipse)ではない。「楕円」ということばの由来については楕円積分、楕円関数を参照。トポロジカルには、複素楕円曲線はトーラスである。 このように、楕円曲線は次のように見なすことができる。 :1) 1次元のアーベル多様体 :2) 3次の平面代数曲線で、有理点を持つもの :3) 複素数を加法群とみて、二重周期を持つ格子で割った商空間(複素数体上のみ、複素数上の楕円曲線) == 整数点 == 楕円曲線上には整数点は有限個しか存在しない。一般に種数が1以上の代数曲線には整数点は有限個しか存在しない。これはがディオファントス近似に関する定理から特別の場合について証明し、ジーゲルが一般の場合について証明した。しかし、これらの定理は計算可能性を備えていない。ベイカー(Alan Baker)は超越数論の方法をつかい、種数1の代数曲線には有限個の整数点しか存在せず、それらは計算可能であることを示した〔Baker, 1990, 第4章およびSilvermann, 1986, 第9章/1992, 第5章〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「楕円曲線」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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