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横川の僧都(よかわのそうづ)とは、源氏物語に登場する架空の人物。「横川の僧都」とは、僧都の位をもって横川を拠点に活動している僧侶であることに由来する呼称である。源氏物語の登場人物の中でこれに該当する人物としては、賢木の巻に登場する藤壺中宮の伯父にあたる人物もいるものの〔稲賀敬二「作中人物解説 横川の僧都 一」池田亀鑑編『源氏物語事典下巻』東京堂出版 1960年(昭和35年)(合本は1987年(昭和62年)3月15日)、pp. 406。 ISBN 4-4901-0223-2 〕、通常源氏物語の登場人物として「横川の僧都」と呼ぶときには、手習巻以降に登場する浮舟を助けて出家させた人物のことをいう。 == 概要 == 多くの弟子を持ち比叡山の最も奥にある横川中堂を拠点に修行しているしばしば宮廷に呼ばれるほど徳の高い僧都の位を持った僧侶である。年齢は50歳くらい。入水したが死にきれなかった浮舟を助ける。後にその願いを聞き、浮舟を出家させた。 この人物は「いと尊き人」と記されており、優れた僧侶としての側面を持ちながらも、年老いた母尼が病に倒れたと聞くと修行を中断して母の元に赴くようなともすれば俗物的とも見えかねない側面をともに持ち合わせている〔岩瀬法雲「横川の僧都の二面性--源氏物語における人物の造型について」園田学園女子大学論文集編集委員会編『園田学園女子大学論文集』通号第2号、園田学園女子大学、1967年(昭和42年)11月、pp. 1-14。 のち『源氏物語と仏教思想』笠間叢書 34、笠間書院、1972年(昭和47年)。 〕〔藤原克己「物語の終焉と横川の僧都」永井和子編『源氏物語へ源氏物語から 中古文学研究24の証言』笠間書院、2007年(平成19年)9月、pp. 179-194。 ISBN 978-4-305-70358-3 〕。源氏物語には多くの僧侶が登場するが、この人物ほど人間が描かれている人物はいないともされ〔鈴木裕子「『源氏物語』の僧侶像--横川の僧都の消息をめぐって」駒沢大学仏教文学研究所編『駒沢大学仏教文学研究』第8号、駒沢大学仏教文学研究所、2005年(平成17年)3月、pp. 45-77。 〕、源氏物語の終盤の二巻においてさまざまな問題を提供する存在であり、浮舟物語-宇治十帖、ひいては源氏物語全体の主題・構想を解明する手がかりとして〔山田清市「浮舟と横川の僧都に見る主題性」『王朝文学論叢』翰林書房、2002年(平成14年)12月、pp. 265-282。 ISBN 4-87737-163-X 〕、源氏物語において最もよく議論されるテーマの一つになっている〔多屋頼俊「浮舟と横川の僧都」岩波書店編『文学』第36巻第11号、岩波書店、1968年(昭和43年)11月、pp. 51-61。 〕〔瀬戸内寂聴「源氏物語の脇役たち(13)横川の僧都」『図書』通号第597号、岩波書店、1999年(平成11年)1月、pp. 60-63。 のち瀬戸内寂聴「横川の僧都」『源氏物語の脇役たち』岩波書店、2000年(平成12年)3月、pp. 110-117。 ISBN 978-4-00-022709-4 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「横川の僧都」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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