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『橋づくし』(はしづくし)は、三島由紀夫の短編小説。銀座や築地界隈を舞台に、陰暦8月15日 の満月の夜に7つの橋を渡り願掛けをする女たちの悲喜交々を、数学的な人工性と古典的な美学とを巧妙に組み合わせて描いた作品である〔〔〔。優れた技巧と構成で、多くの文芸評論家や作家から、短編の傑作として高い評価を受けた〔佐藤秀明『日本の作家100人 三島由紀夫』(勉誠出版、2006年)〕。 1956年(昭和31年)、文芸雑誌『文藝春秋』12月号に掲載された。単行本は翌々年1958年(昭和33年)1月31日に文藝春秋新社より刊行された。同書には他に6編の短編が収録されている。1971年には単独豪華限定版も刊行された。現行版は新潮文庫の『花ざかりの森・憂国』に収録されている。翻訳版は1966年(昭和41年)のエドワード・G・サイデンステッカー訳(英題:The Seven Bridges)をはじめ、各国で行われている。1958年(昭和33年)10月には、三島が書いた舞踊用台本で舞踊劇が上演され、1961年(昭和36年)7月には新派で劇化上演された。 1967年(昭和42年)度のフォルメントール国際文学賞 (Formentor Literature Prize)で第2位を受賞した短編集『真夏の死 その他』(“Death in Midsummer and other stories”)の中の一作として収録されている。 == 作品背景・主題 == 『橋づくし』は、陰暦8月15日 の満月(中秋の名月)の夜、無言のまま7つの橋に願掛けをして渡ると願いが叶うという言い伝えに従って四人の女が橋を渡る物語であるが、三島由紀夫は自作について、「何となく面白おかしい客観性を、冷淡で高雅な客観性を、文体の中にとり入れたものだ」と説明しており〔三島由紀夫「自作解説」(『花ざかりの森・憂国』)(新潮文庫、1968年。改版1992年)〕、佐藤秀明は、「平凡な四人の女の誰が最後の橋を渡るのか、その歩行から人間性の意外な“重量”が浮かび上がる」と解説している〔。 エピグラフとして、男女が橋を渡りながら死出の旅へ発つ、『「天の網島」名ごりの橋づくし』からの一節が引用されているが、三島由紀夫は「橋」というものについて次にように述べている。 なお、『橋づくし』の着想は、当時三島が交際し、結婚をしようとしていた女性(赤坂の料亭の娘・豊田貞子)から聞いた話からヒントを得て設定され、主人公・満佐子(“Masako”)のモデルは貞子(“Sadako”)だといわれている〔 岩下尚史『見出された恋 「金閣寺」への船出』(雄山閣、2008年)〕〔岩下尚史『ヒタメン 三島由紀夫が女に逢う時…』(雄山閣 、2011年)〕。また、満佐子が恋い慕い結婚を夢見ている「R」という映画俳優は、市川雷蔵だという推測〔、あるいは貞子と付き合っていた三島自身の投影という見方もある〔〔大西望「市川雷蔵の『微笑』―三島原作映画の市川雷蔵」(『三島由紀夫と映画 三島由紀夫研究2』)(鼎書房、2006年)〕。三島の恋人の貞子は、実際に料亭に雷蔵がよく来ていたことから、俳優「R」だと、友人たちから雷蔵との仲を誤解されるから、刊行の際には書き変えてほしいと三島に頼んでみたところ、「Rの付く映画俳優は日本にいないと思ってつけたつもりだったんだけど、歌舞伎俳優まで思いが及ばなかった」と言ったという〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「橋づくし」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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