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欧州債務危機 : ミニ英和和英辞書
欧州債務危機[おうしゅう]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

欧州 : [おうしゅう]
 【名詞】 1. Europe 
: [す, しゅう]
 (n) sandbank
: [さい]
  1. (n,n-suf) debt 2. loan 
債務 : [さいむ]
 【名詞】 1. debt 2. liabilities 
危機 : [きき]
 【名詞】 1. crisis 
: [き, はた]
 (n) loom

欧州債務危機 ( リダイレクト:2010年欧州ソブリン危機 ) : ウィキペディア日本語版
2010年欧州ソブリン危機[2010ねんおうしゅうそぶりんきき]
2010年欧州ソブリン危機(2010ねんおうしゅうソブリンきき)または欧州債務危機(おうしゅうさいむきき)、欧州経済危機(おうしゅうけいざいきき)、欧州危機(おうしゅうきき)、通称ユーロ危機は、2009年10月のギリシャ政権交代による国家財政の粉飾決算の暴露から始まる、経済危機の連鎖である。スペインポルトガルなどユーロ加盟諸国(PIIGS)、あるいはハンガリーラトビアなど中東欧諸国へ波及した場合、世界的な金融危機に発展するかもしれないと懸念されている東京新聞:6月22日:ソブリンリスク 財政危機 悪循環招く 〕。2011年以降にもユーロ圏第三位のイタリア情勢が深刻化するなど、欧州不安は広範囲に拡大した。ここでいうソブリンとは地名や人名ではなく、ソブリン債(英:sovereign bond。各国の政府又は政府関係機関が発行し又は保証している国債などの債券)のことである。
==概要==
欧州連合(EU)による欧州通貨統合が南欧に広がるにつれ、PIIGSと呼ばれる国々の経済の弱さが浮き彫りになった〔EU の深化を目指して 〕。問題はのマネーがこれらの国に大量に投資されているため、欧州全体のマネーフローの問題になったことである〔EU の深化を目指して 〕。また世界金融危機後のけん引役の1つである欧州経済の不調が、未だ脆弱なアメリカ日本の経済危機の引き金を引くのではないかという懸念がある〔ギリシャ問題、来月のG20までに一定の前進みないと世界経済の失速感は免れない=安住財務相 2011年9月24日 ロイター〕〔金融市場に悲観まん延、混乱長引けば足元堅調な実体経済にも悪影響 2011年10月4日 ロイター〕〔IMFが世界成長見通し下方修正、米欧の二番底リスク警告 2011年9月21日 ロイター〕〔新興国債券市場からの資金逃避、リーマンショック以上に長期化も 2011年10月5日 ロイター〕。
根本的には経済の規模、内容、政治が異なる国々による欧州通貨統合という実験が失敗に終わるのではないかという考え方が力を持ち始めていることにある〔ユーロ圏は失敗した=クラウス・チェコ大統領 2010年 6月2日 ウォール・ストリート・ジャーナル〕。またドイツやフランス国民には、自分たちの稼いだお金が放漫財政の救済のためにどぶに捨てられると考え始め、またPIIGSにとっては稼いだ金を金利などによって吸い取られていると考え、EU全体の遠心力爆発という大きな政治危機の引き金になりかねないとされる〔欧州との結びつきを考え直すドイツ 2011年9月29日 ウォール・ストリート・ジャーナル〕。
「欧州統合は戦争平和かの問題であり、ユーロが平和を保証している」(コール独元首相)という考え方が根底にあり、英国のように通貨統合を単なる経済上の試みとはとらえず、安全保障上の政治的意思と大陸諸国は捉えている。しかし当初の約束である「赤字3%以内、援助は無し、透明な会計」はすべて破られる事態になった。フランスも8%の赤字である。
主要10カ国(G7+スペイン韓国スイス)の2000年2008年の数字を比較すると、名目GDPは22.5兆ドル(以下同じ単位)から33.8へと11.3の増加だったが、債務総額は70.8から111.5へと40.7増加しており、GDP増加の4倍債務が膨らんでいる。金融危機の度に多額の資金が供給され、それは国債という政府の負債としてたまっている。余剰資金は金利や期待利益率の高い新興国に流入する。ギリシャは欧州金融危機を米投資銀行のアドバイスで欧州中央銀行(ECB)からの融資で乗り切ったと言われる。いつまでも多額の借金を背負ったままでいられないので「ソブリンリスク」として、国家のデフォルトの危険は増している。2011年9月現在でギリシャの長期国債の金利は20%を超えている〔三橋貴明のもう経済記事にはだまされない klug 2011年9月14日〕。これは米国やドイツさらには日本の国債の長期金利が1〜2%台であることと比較すれば、非常に大きい数字である。特にギリシャは税徴収に重大な欠陥があると言われ、公務員と年金生活者が多いので問題は大きい。ユーロに加盟していなければ、通貨切り下げも可能であったが、仮に切り下げできても輸出産業が育っていないので輸出増は見込めなかった。ハンガリー財政懸念問題では負債の多くはドル建て、スイス・フラン建てなので、ユーロ加盟でなくても打撃が大きい。「先進国の国債増発」と「新興国の外貨建て負債増加」の両面で危機が進行中である。年金削減・公務員削減などによる財政支出の削減(をともなう財政赤字の縮小)は、国民の生活を直撃する。経済危機は政治危機に直結している。
大きな問題は財政危機に直面したユーロ加盟各国(および周辺諸国)はECBの多額の融資により経済危機をしのいでいるが、通貨ユーロにわずかばかりの財政上の裏付けしかないことである〔欧州連合には欧州連合独自の予算と独自財源が存在するものの1100億ユーロ内外であり、EU加盟国の財政危機を救済するためのものとしては脆弱である。またEUやECBが起債者となる債権(EU債、ECB債)は発行しておらず、EU共通の財政課題に対しては加盟各国の独自財源と国債(ドイツ国債等)に依拠することとなる。〕。そのため、大国数カ国を含む共通財政政策の確立は最終的な解決の糸口と見られている。ユーロが危機の中で価値を維持しているのは巨大な地域圏(民間)経済と域内資本蓄積の大きさ、人口5億の治安がよく意思疎通が綿密であり、欧州統合への強い意志を持ったユーロ加盟国により構成されていることに依存している。
ロバート・フェルドマン(モルガン・スタンレーMUFG証券経済調査部長)や、稲葉延雄元日銀理事は、ストレステスト後の欧州は日本の1999年頃の感じであり、これから構造調整の痛みがあるだろうと説く〔2010年8月3日 13面「キンドルバーガーの価値」 〕。
世界最大の投信(運用資産1.1兆ドル)「ピムコ」のビル・グロスは外国債の危険を表す「炎の輪」を唱え〔Investment Outlook ビル・グロース | 2010年2月 炎の輪 〕、ギリシャ国債から早めに撤退した。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「2010年欧州ソブリン危機」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Policy reactions to the Eurozone crisis 」があります。




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