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武器軟膏(ぶきなんこう)とは、傷薬の一種。通常の軟膏と異なり、薬を傷口ではなく、傷をつけた武器の方に塗る。16世紀から17世紀にかけて西欧の一部でその効能が信じられ、その理論について論争となった。 == 使い方 == 武器軟膏の原料は、傷を受けた人の血液を含む多くの成分〔ディーバス(1999) p.225〕、あるいは傷を受けた人の血液そのもの〔ラッセル編(1983) p.291〕である。また粉状の薬もあり、共感の粉と呼ばれる。剣などの武器によって傷つけられたとき、この武器軟膏を傷を与えた武器に塗ることで傷口が治癒する。武器ではなく、傷を受けた人の血液が付着した包帯に塗る場合もある〔ホームヤード(1996) p.186〕。 武器軟膏の効能は、武器と傷口が離れていてもはたらく。パラケルススによれば、距離が20マイル離れていても効果があるという〔山本(2003) pp.506-507〕。 応用的な使い方として、共感の粉を用いた海上での経度の確認方法がある。この案は1687年に発表された。当時は海上で使える正確な時計が存在しなかったため、航海中に現地点での経度を知るのは困難であった。そこで考え出されたのが共感の粉を使った方法である。共感の粉による治療法には痛みが伴い、これを使った瞬間に患者はその痛みで飛び上がるという。そこで航海前にわざと犬を傷つけておいて、その傷口に包帯をあてる。そして、包帯だけを出発地点に残し、犬は航海に連れてゆく。残った人が毎日決まった時間、たとえば正午に共感の粉を包帯にふりかけることにすると、その瞬間に犬は飛び上がるから、海上にいる人は出発地点の時間を知ることができ、そこから現在の経度を求めることができる〔ソベル(2010) pp.52-53〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「武器軟膏」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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