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武智敏 : ウィキペディア日本語版
武智敏[たけち さとし]
武智 敏(たけち さとし)は日本の工学者技術者富士通セミコンダクター担当部長。LSI製造に使用されるArFエキシマレーザー光を用いた写真製版(リソグラフィ技術)用の実用的なレジスト(感光性樹脂)の開発で知られる。
== ArFエキシマレーザリソグラフィ用新規レジスト材料 ==
LSIは、リソグラフィ技術を用い、回路パターンをウェハー上のレジストに焼き付けて作られる。しかし、100nm(0.1µm)以下の微細回路パターンのLSI製造には、従来のレジストではArF光の吸収力が強いため、回路パターンを焼き付けることができなかった。そのためArF光で使えるレジストがなく、LSI製造における大きな課題となっていた。
武智は、炭素が環状になった脂環構造である「アダマンチル基」がArF光に透明で、かつレジストに適した材料であることを世界で初めて見出した。「アダマンチル基」の強い疎水性に起因する課題を解決するため、「脱離型アダマンチル基」と「高親水性ラクトン基」を開発し、ArF光に対応した高性能レジストを実現した。開発した技術は1997年頃からレジストメーカーで工業化が開始され、高速・低消費電力の高機能LSIの製造において世界のデファクト技術となった。〔富士通セミコンダクタープレスリリース
現在では、本技術が世界の標準となっており、特許の引用回数も極めて多い。本レジスト材料は、300億円/年以上の市場規模となり、約20兆円の半導体市場のうち、このレジストを用いて生産されるLSIは、年間10兆円規模の市場と推定される。〔山崎貞一賞受賞者業績説明

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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