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歴史地震(れきしじしん)は近代的な観測機器の無かった時代で、古文書、災害記念碑などの記録に残された過去の地震である。歴史時代に発生した地震に相当する。一方で記録に残されていない、遺跡発掘や地質調査などから判明した有史以前の地震は先史地震と呼称されている〔歴史時代において明確な記録には残されていないが、地質調査などからその発生が考えられる地震についてはこの限りではない。〕。また、これらの地震を含めて近代的地震観測開始以前の地震は古地震とも呼ばれる〔「歴史地震 -宝永地震を中心に-」〕。 日本では1885年に地震計など観測体制の整備が開始されたため、歴史地震は一般的に1884年以前発生のものを指す〔 青木元、吉田明夫 「内陸地震活動の統計的性質 活動期と静穏期及び大地震の続発性」〕。 歴史地震の調査研究は将来起きると想定される地震の予測など防災上、欠かすことの出来ないもので、プレート間巨大地震の発生周期などを論ずる地震学の一分野であり、ある地域の地震災害の正確な評価を行うためには、地震により開放されるエネルギーを見積もる必要があるが、計器観測が始まって以来の地震のみではデータの蓄積として不充分であり、古地震学の助けを借りる必要性が生じる〔T.レイ・T.C.ウォレス 『地震学 下巻』 柳谷俊訳、古今書院、2002年〕。 また歴史研究の一部を担う考古学でもあり、地震考古学の分野も開拓されている〔寒川旭 『地震考古学 -遺跡が語る地震の歴史』 中公新書、1988年〕〔寒川旭 『地震の日本史 大地は何を語るのか』 中公新書、2007年〕。 == 古文書の調査 == 歴史地震の研究は古文書の調査から始まる。古文書は国家の歴史を記した正史から個人の日記など多種多様であり、誤記、誤植、誇張、伝聞によるものなどを含み、その信頼性に疑問点があるものも多く、可能な限り多くの史料を付き合せ、検証する作業が要求される〔石橋克彦(2004) 石橋克彦「歴史地震研究で感じたこと」〕〔。また偽書も多いが、ある目的に対して偽書であっても、そこに記された事項が全て偽りであるとは限らず、記された天変地異が真実である可能性が否定できない場合もある〔宇佐美龍夫 『最新版 日本被害地震総覧』 東京大学出版会、2003年〕。 戦乱による社会的混乱、火災による焼失、津波による古文書の流失など地震災害自体が過去の記録の喪失につながる場合も少なくない。例えば房総沖における慶長津波の記録が少ないのは、その後のより甚大な元禄地震津波で失われた可能性があるとされる〔 伊藤純一(2005): 慶長九年十二月十六日(1605.2.3)の津波の房総における被害の検証, 歴史地震, 第20号, 133-144.〕。また宝永地震津波により、尾鷲や土佐久礼八幡宮でも古記録が流失し、これ以前の歴史は不明な点が多い〔今村明恒(1943) 今村明恒(1943): 慶長九年の東海南海両道の地震津浪に就いて, 『地震』 第1輯, 15, 150-155.〕〔『日本歴史地名大系24 三重県の地名』 平凡社、1983年〕〔『日本歴史地名大系40 高知県の地名』 平凡社、1983年〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「歴史地震」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Historical earthquakes 」があります。 スポンサード リンク
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