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『死と処女』(しとおとめ、原題: ''Death and the Maiden'')は、1994年のアメリカ・イギリス・フランス映画。アリエル・ドーフマンの戯曲《死と乙女》をロマン・ポランスキーが映画化したスリラー。 == ストーリー == 南米の某国では独裁政権が崩壊し、新大統領が過去の人権侵害事件の調査委員会を発足させた。かつてこの国では、反政府運動を弾圧するための拷問や暗殺が横行し、今も当時の加害者たちが、裏で力を保ったまま素知らぬ顔で生活しているのだ。 岬の一軒家に住む主婦のポーリナは、ラジオで夫のジェラルドが調査委員会の委員長に抜擢されたことを知った。ポーリナは平凡な中年の主婦だが、家に近づく自動車に気付くなり銃を構えるなど、精神状態が不安定な様子だ。 嵐の中、医師のミランダの車で帰宅する夫のジェラルド。彼の車はパンクし、通りかかった見ず知らずの車を止めて、家まで送ってもらったのだ。車から降りることなくミランダは走り去って行った。 嵐のために停電し電話も不通になった家で、調査委員会について言い争うポーリナとジェラルド。反政府運動で活躍し、現在は弁護士のジェラルドにとって、委員長の座は出世の足掛かりだが、新政権を信用していないポーリナの目には裏切り行為に映るのだ。彼らの夫婦仲は張りつめて、ジェラルドが妻を扱う態度は、まるで腫れ物に触るようだ。 その日の夜更けに、医師のミランダが車で岬に戻って来た。ミランダは一旦は帰宅したのだが、ラジオでジェラルドが委員長になったことを知り、ジェラルドの忘れ物を届けがてら、祝辞を述べに来たのだった。夜半の訪問に戸惑いながらも、ジェラルドはミランダを招き入れ、酒をふるまった。 寝ている振りをして、居間の様子を伺うポーリナ。彼女はミランダの声に聞き覚えがあったのだ。学生だった頃、ポーリナは反政府運動に参加し、逮捕されてひどい拷問を受けていた。その時にポーリナをレイプした男の声が、ミランダのものだったのだ。動揺し、一人で家から逃げ出すポーリナ。彼女は拷問の際にレイプされたことを夫に隠し、恐怖の記憶に憑りつかれて生きて来たのだ。 レイプされた時、ポーリナは目隠しされて相手の顔を見ていなかった。しかし、ミランダの車を調べると、シューベルトの『死と処女』のカセットが見つかった。これは当時、レイプ犯がかけていた曲だった。 家に戻ったポーリナはミランダを縛り上げ、銃で脅して自白を迫った。アリバイを主張するミランダ。ジェラルドに止められても、復讐に燃えるポーリナは聞く耳を持たず、追及は夫にまで及んでいった。ポーリナを反政府運動に引き込み、逮捕のきっかけを作ったのはジェラルドだったのだ。やがて、心の内を語り始めるミランダ。ミランダの言葉とこの夜の出来事は、ポーリナを過去から脱却させ、未来へ進ませるきっかけとなったのだった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「死と処女」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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