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acaricide =========================== ・ 殺 : [さつ] 【名詞】 1. kill 2. murder 3. butcher 4. slice off 5. split 6. diminish 7. reduce 8. spoil ・ 剤 : [ざい] 1. (n-suf) medicine 2. drug 3. dose
殺虫剤(さっちゅうざい、InsecticideまたはPesticide)とは、人間や農作物にとって有害な害虫(昆虫を含む動物)を殺す(駆除する)ために使用される薬剤である。広義には殺ダニ剤(Acaricide, Miticide)や殺線虫剤(Nematicide)も含める。殺虫剤には殺卵剤、殺幼虫剤、殺蛹剤、殺成虫剤があり最も多く使用されるのは殺幼虫剤と殺成虫剤である。 アブラムシや毛虫など農作物の害虫に対して用いるものは農薬の1種とされハエ、カ、ゴキブリなどの衛生害虫を除するものは防疫用殺虫剤(防除用医薬部外品)と呼ぶ。農薬は農林水産省、防疫用殺虫剤は厚生労働省の管轄である。農業関係以外では殺虫剤と呼ぶ場合、後者の防疫用殺虫剤を指すことがほとんどである。 農業用殺虫剤は、主に系統と呼ばれる農協か商系と呼ばれるそれ以外のルートで販売される。一部はホームセンターで入手することもできる。防疫用殺虫剤は缶に入ったエアゾールや蚊取線香などとして広く市販されているものは家庭用で、防除業者向けにもっと強力なものも市販されている。 毒性が高く取り扱いが難しいものについて購入時に印鑑が必要であるのは、農業用も防疫用も一緒である。 == 剤型 == 殺虫剤は原体(有効成分)のまま使用されることはほとんど無く、補助剤・希釈剤と混合され効力を調整されて使用される。 * 液状 * 油剤:原体を白灯油に溶解したもの。変質・分解が少ない。引火性がある。原液のまま、又は白灯油で希釈して使用。水溶性容器に封入された水田投げ込み用製剤(なげこみ剤)や、田面水に滴下させて使用するサーフ剤、原液のまま微量散布装置(ULV)にて使用する微量散布用剤(農薬登録上も微量散布用剤)もある。 * 乳剤:原体を有機溶媒に高濃度で溶かし乳化剤を加えたもの。水で希釈して使用する。対象などにより濃度を調整して使用することが可能。原液は引火性がある。樹脂や顔料を含むものもある。防疫用に限り粉末又は顆粒状で、水に溶かすと乳液状になるものも含まれる。 * 懸濁剤:水に不溶性の原体を湿式微粉砕し湿潤剤・分散剤・凍結防止剤などの補助剤を加え、水に分散させたもの。有機溶媒による害がない。長期保存で沈殿や結晶の成長が起こる場合がある。フロアブル剤、ゾル剤ともいう。溶媒が有機溶媒のものもある。良く振ってから使用する。農薬登録上は水和剤に分類される。 * エマルジョン剤:原体に乳化剤・凍結防止剤・増粘剤など補助剤を加えて、水中にエマルジョンとして分散させたもの。有機溶媒による害や引火性がない。農薬登録上は乳剤に分類され、多くは商品名がEWで終わる。防疫用などでは水性乳剤とも呼ばれる。より粒子の細かい、マイクロエマルジョン(ME)剤(農薬登録上は液剤)もある。 * マイクロカプセル剤:マイクロカプセル(高分子薄膜で覆った粒径数~数百マイクロメートルの微粒子)に原体を封入し水に懸濁させたもの。高分子薄膜の厚さの調整で有効成分の放出速度の調整が可能。水に懸濁させていない固体状のものもある。 * 液剤 : 水溶性の原体を水又は水溶性の有機溶媒に溶解したもの。原液のまま、又は水で希釈して使用。 * エアロゾル剤:原体を有機溶媒に溶かし高圧ガスと共に耐圧缶に充填したもので、缶より噴出させて使用される。主に家庭用。溶媒が水のもの、一度に全量を噴射するもの、時限式や遠隔操作式の噴射装置に装着し使用するもの、粉末を噴出するもの、二重構造容器を使用し冷害を軽減したものもある。 * 塗布剤:液状のもので、専ら塗布により使用されるもの。 * ペースト剤:半固体状のもの。 * ジェル剤:ジェル状のもの。多くは専用ガンに装着しノズル先端より吐出させて使用されるカートリッジ形状で、ペストコントロール業者専売である。 * 固体状 * 粉剤:原体を鉱物性粉末と混合したもので、粉のまま使用する。一般に遅効性であり、また散布箇所が汚れやすい。家庭用ではパウダーとも呼ばれる。飛散の少ない製剤(粉剤DL)、施設栽培で施設内に粉散させるもの(フローダスト(FD)剤)もある。 * 顆粒剤:原体を鉱物性粉末と混合し造粒したもの、または顆粒状の芯材に有効成分を吸着・含浸させたもので顆粒のまま使用されるもの。微粉の飛散が少ない。水溶性フィルムで包装された水田投げ込み用製剤(パック剤・ジャンボ剤)、水稲育苗箱に施用する箱粒剤、より粒径の大きい豆つぶ剤もある。また、粉剤と顆粒剤の中間に位置するものとして微粒剤、微粒剤F、細粒剤及び細粒剤Fもある。(農薬登録上はいずれも粒剤、但し一部のパック剤・ジャンボ剤は剤) * 水和剤:原体を4~5マイクロメートルに微粉砕し、界面活性剤と増量剤などの補助剤と混合したもの。水に希釈・懸濁して使用する。水溶性フィルムで包装された製剤(WSB剤)もある。 * 顆粒水和剤:水和剤を粒状にしたもの。微粉の飛散が少なく安全性が高い。ドライフロアブル剤、WDG剤ともいう。 * 食毒剤(ベイト剤):食料に原体を混合して生物に食べさせるもの 。毒餌。液状、ジェル状、ペースト状のもの、現場で食料と混合して毒餌や毒団子とするもの、容器入りのものもある。広義には、接触毒剤に誘引剤を混合し、生物に触れさせるものも含まれる。 * 水溶剤:水溶性の原体を水溶性の増量剤と混合した粉末。水和剤に比べ散布箇所が汚れにくい。 * 顆粒水溶剤:水溶剤を粒状にしたもの。微粉の飛散が少なく安全性が高い。 * 粉末:粉状のもので、他の何れの剤型にも当てはまらないもの。 * 錠剤:原体を分散剤・発泡剤などの補助剤と混合し打錠したもの。農薬より防疫用に多い。主に水に溶かして使用されるが、水田や浄化槽、排水口、排水溝、側溝、池、水たまりなどにはそのまま投入される。農薬登録上は、そのまま使用されるものは粒剤又は剤、水に溶かして使用されるものは水和剤又は水溶剤、両方に使用されるものは剤。 * 複合肥料:原体を肥料と混合したもの。施肥と害虫防除が同時にできる。液状のものもある。 * 剤:他の何れの剤型にも当てはまらないもの。犬や猫の首に装着され、蚤の駆除に用いられる首輪型殺虫剤(ノミ取り首輪、ノミよけ首輪)や、牛の耳に耳標同様に装着されて寄生虫を駆除する耳標型殺虫剤(いずれも動物用医薬品又は動物用医薬部外品)など。 * 気体を蒸散 * 蒸散剤:蒸気圧の高い原体を固体に吸着させたり練り込んだもの、または蒸気圧の高い原体の固体や液体を高分子フィルムで覆って拡散速度を調整したもの。電動式や電熱式の蒸散器を使用するものや蒸気圧の高い製剤の液体を吸収体で吸い上げ、その先端を電熱器で加熱したり送風機等の風力で、または自然に蒸散させるものもある。(農薬登録上はくん蒸剤又は剤) * 燻煙剤:発熱剤・助煙剤を燃焼させる、もしくは水による化学反応などの外部熱源を使用して有効成分を拡散させるもの。 * 昇華剤:昇華性の原体及び増量剤を用い打錠されたもので、有効成分を空気中に昇華させるもの。高分子フィルムで覆い、拡散速度を調整して用いる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「殺虫剤」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Insecticide 」があります。 スポンサード リンク
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