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悪性腫瘍(あくせいしゅよう、)は、遺伝子変異によって自律的で制御されない増殖を行うようになった細胞集団(腫瘍)のなかで周囲の組織に浸潤し、または転移を起こす腫瘍である。悪性腫瘍のほとんどは無治療のままだと全身に転移して患者を死に至らしめる〔大西『スタンダード病理学』第3版、pp.139-141〕〔Geoffrey M.Cooper『クーパー細胞生物学』pp.593-595〕とされる。 一般に癌(ガン、がん、、)、悪性新生物(あくせいしんせいぶつ、)とも呼ばれる。 「がん」という語は「悪性腫瘍」と同義として用いられることが多く、本稿もそれに倣い「悪性腫瘍」と「がん」とを明確に区別する必要が無い箇所は、同一語として用いている。 == 語義 == 「悪性腫瘍(Malignant tumor)」は、一般に「がん(、)」として知られているが、病理学的には漢字で「癌」というと悪性腫瘍のなかでも特に上皮由来の「癌腫(上皮腫、Carcinoma)」のことを指す。 日本語では平仮名の「がん」と漢字の「癌」は同意ではない。平仮名の「がん」は、「癌」や「肉腫」(Sarcoma)、白血病などの血液悪性腫瘍も含めた広義的な意味で悪性腫瘍を表す言葉としてつかわれているからである。したがって癌ばかりでなく肉腫や血液悪性腫瘍も対象にする「国立がん研究センター」や各県の「がんセンター」は平仮名で表記する〔日本成人白血病治療共同研究グループ・わかりやすい白血病の話 20120125閲覧〕。 「癌」を表す「Cancer」は、かに座 (Cancer) と同じ単語であり、乳癌の腫瘍が蟹の脚のような広がりを見せた〔ジョン・ブリッグズ『フラクタルな世界』松下 貢 監訳、深川洋一訳、丸善株式会社、1995年,102頁、さらに、この引用元は、米のNational Cancer Instituteである。〕ところから、医学の父と呼ばれるヒポクラテスが「蟹」の意味として古代ギリシア語で「 (Carcinos)」と名づけ、これをアウルス・コルネリウス・ケルススが「Cancer」とラテン語訳したものである。 漢字の「癌」は病垂と「岩」の異体字である「嵒」との会意形声文字で、本来は「乳がん」の意味である。触診すると岩のようにこりこりしているからで、江戸期には「岩」と書かれた文書もある。有吉佐和子の小説「華岡青洲の妻」には、乳がんを表す「岩(がん)」ということばが頻出する。 「悪性腫瘍」は「悪性新生物」とも呼ばれることがあるが、Malignant neoplasmの訳語として作られた言葉で、Malignant「悪性の」、Neo「新しく」、Plasm「形成されたもの」を意味する。 なお、「癌」という言葉は、上記の用法をもとに比喩的に用いられることがあり、社会の機構や組織について「○○は△△のがんだ」「△△のガン細胞」などということがある〔広辞苑 第五版〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「悪性腫瘍」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Malignancy 」があります。 スポンサード リンク
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