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『水中都市』(すいちゅうとし)は、安部公房の短編小説。帰り道が同方向だった男が突然、主人公のアパートに入り込み、父親と名乗り住みつくと奇怪な魚に生れ変って窓から飛び出し、街全体が水中の世界に変ってしまう物語。登場人物の変身する様が、安部公房独特の寓意とユーモアあふれる文体で表現されている〔。 1952年(昭和27年)、雑誌『文學界』6月号に掲載され、同年12月10日に未来社より刊行の『闖入者』に収録された。のち1964年(昭和39年)12月10日に桃源社より単行本『水中都市』が刊行された。文庫版は新潮文庫で刊行されている。 1977年(昭和52年)には、戯曲版『水中都市』が創作され、同年11月5日に山口果林主演により西武劇場で上演された。小説と同じシーンもあるが、違うストーリーの別作品となっている〔安部公房「安部公房が新作に挑む――談話記事」(朝日新聞 1977年11月2日号に掲載)〕。 == あらすじ == 「おれ」は同僚の間木と飲んだ帰りに、駅で共産党の新聞売りにからむ変な男を見かけた。男は「おれ」の帰路と同じ方向に向い、「おれ」のアパートを訪ねた。男は「おれの父親」と名乗り、部屋へ入って来た。「おれ」は父親を無視し、翌日は間木の家へ彼の描いた絵を見せてもらいに行った。その3枚の絵は堤防から見た「おれ」や間木の働く工場の風景で、水の中に沈んだ街の絵だった。アパートに戻ると、父親はむくんでころがっていた。そして加速度的に膨張しジュゴンに似た蛹のようになり、腹が破裂し魚に変身して宙に浮んだ。窓ガラスが急に割れ、魚はどこかへ消えていった。その時、間木が来た。いつの間にかあたりは間木の絵のように水の中に沈んでいて、「おれ」と間木も宙に浮んで出ていった。 街には魚に噛み切られて首のなくなった人間があふれ、手さぐりで歩いていた。魚に食われないための念珠を売る男もいたが、その男は、魚になった「おれ」の親父に食われた。野良魚の親父は、警察魚を引き連れた一団に逮捕され、間木は、野良魚を養った嫌疑で「おれ」も指名手配になっていると言った。間木と「おれ」は堤防の方へ逃げた。その場所から、次第に変化してゆく工場の風景を黙って眺めた。「おれ」はその風景を理解することに熱中しはじめ、「この悲しみは、おれだけにしか分らない……」と考えた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「水中都市」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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