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ミズクラゲ(水海月)は、鉢虫綱・旗口クラゲ目(ミズクラゲ目)・ミズクラゲ科に属するクラゲの一種。日本近海でも最も普通に観察できるクラゲである。傘に透けて見える胃腔、生殖腺が4つあることから、ヨツメクラゲとも呼ばれる。 == 特徴 == 成体で傘の直径15 - 30cm、それ以上のものも稀に見られる。傘には、縁辺部に中空の細く短い触手が一列に無数に並ぶ。傘の下側の中央に十字形に口が開き、その4隅が伸びて、葉脈の位置で二つ折りにしたヤナギの葉のような形の4本の口腕となる。 体は四放射相称で、口腕の伸びる方向を正軸、その中間の軸を間軸という。間軸の方向に4つの丸い胃腔があり、馬蹄形の生殖腺に取り囲まれる。このため,4つの眼があるように見える。まれに五放射、六放射になっているものも見られるが、基本的な体の作りは同じである。 刺胞を持つが、刺されてもほとんど痛みを感じることはない。ただし、遊泳中に皮膚の角質の薄い顔面にふれたときに、人によっては多少の痛みを感じる。最近の研究によれば、ザリガニに対する毒性試験で猛毒のハブクラゲの1/4程度の毒を持っているとされ、分子量43000の酸性タンパク質が毒性物質の主成分と考えられる〔刺胞毒とその利用 東京海洋大学海洋科学部] 日本水産学会誌 Vol.71 (2005) No.6 P 989-990〕。 北緯70度から南緯40度くらいまでの世界中の海に分布し、30 - 32‰(パーミル)の低い塩分濃度で、水温9 - 19(-6から30程度までは生息可能とされる)の沿海に多く分布する。日本沿岸でも大発生がしばしば見られ、漁網を破損させたり、発電所の取水口に詰まって発電を停止させる事故を起こすなどの害をなすことがある。遊泳能力はクラゲの仲間の中でも低い方で、水中に漂って生活する。雌雄異体であり、雄は透けて見える生殖巣が白っぽく、雌は若干茶色がかっていることで識別できることもある。 餌となるのは主に動物性プランクトンで、時に仔魚を捕食する。遊泳運動は捕食活動も兼ねており、傘を開閉することで縁辺部の触手の間で海水が濾過され、そこに浮遊する動物プランクトンが触手に捕らえられる。餌は触手の刺胞に刺されて麻痺すると同時に粘着性の刺糸に絡めとられ、粘液と繊毛運動により、傘の縁、縁弁の中央の8(胃腔の数の2倍)箇所に団子状に集められる。間欠的に口腕が触手をなでるときに口腕の溝の内側に餌が包み込まれ、繊毛運動によって口に運ばれる。胃腔消化された餌の粒子や液は、放射管から水管(血管のようなもの)を通って全身へと運ばれる。呼吸においても、同じ器官を通して体全体に拡散された海水より酸素を取り込む。 傘を開閉する運動は遊泳と捕食のためだけのものではなく、循環機能を働かせるための運動でもあり、つまり体そのものが心臓の役割を果たしている。また、クラゲ類は中枢神経系を欠き、体のどの部分にあっても一つの神経細胞が命令を下すと、新幹線並の速度で神経伝達が行われ、相対的に統合した運動を行なうことができる。傘の縁の8カ所に、光の明暗を感じる眼点とバランスを取るための平衡器を備えた感覚器がある。 繁殖力が強く、生活環も明らかにされていることから研究用途に使われることが多い。また、その半透明の美しい姿は人々を魅了し、ペットとしてもよく飼育されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ミズクラゲ」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Aurelia aurita 」があります。 スポンサード リンク
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