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水酸化鉄(すいさんかてつ)は鉄の水酸化物である。鉄の酸化数により水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)が存在する。 ただし水酸化鉄(III)は後述の通り慣用的な名称であり、実際の構造は酸化水酸化鉄(III)などであることが判明している。 == 水酸化鉄(II) == 水酸化鉄(II)は、Fe(OH)2で表される鉄の水酸化物である。 無色から淡緑色の六方晶系で水酸化カドミウム型構造(ヨウ化カドミウム型構造類似)の結晶である。 鉄(II)イオンを含む溶液に酸素が存在しない状態で水酸化ナトリウムを滴下すると沈殿が生じる。 : Fe2+(aq) + 2 OH−(aq) → Fe(OH)2 溶解度積は以下の通りであり、希酸に容易く溶解し鉄(II)イオンを生じる。 : Fe(OH)2 Fe2+(aq) + 2 OH−(aq), ''K''sp = 1×10−15 また幾分両性を示し、濃厚アルカリ水溶液にも溶解する〔 FA コットン, G. ウィルキンソン著, 中原 勝儼訳 『コットン・ウィルキンソン無機化学』 培風館、1987年〕。 : Fe(OH)2 + 2 OH−(aq) 2−(aq), ''K'' = 10−3 酸素が存在する状態では容易に酸化されて水酸化鉄(III)へと変化する。酸化の進行に伴い、淡緑色→灰緑色→黒褐色→赤褐色へと色相が変化する。湿気のある条件下における鉄錆の生成も、一旦2価の鉄イオンFe2+が生じ、空気酸化が進行して3価の水酸化鉄すなわち赤錆となることが知られている。塩基性条件下ではより強い還元剤として働き、硝酸イオンをアンモニアに、ニトロベンゼンをアニリンに還元する〔『化学大辞典』 共立出版、1993年〕。 : 4 Fe(OH)2 + O2 → 4 FeO(OH) + 2 H2O : FeO(OH) + H2O + e− = Fe(OH)2 + OH−, ''E''°= −0.556 V 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「水酸化鉄」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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