|
===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ 氷 : [こおり, ひ] 【名詞】 1. ice 2. hail
氷コップ(こおりこっぷ)とは、戦前の日本でよく用いられた、かき氷を主とする氷菓専用のガラス器である。 明治中期(1890年代)以降に初めて製造された。その後の普及と共に「氷コツプ」の呼称も生まれ昭和初期(1930年代)までの期間に技法・文様において独特の発達を遂げた。戦後は生活の西洋化とともに碗型の器が主流となりシャーベットグラスと呼ばれ、器の文様もエナメルプリントが多用されるなど変化していった。これらの事から現代では、氷コップと呼ぶ場合には一般に骨董の用語として戦前のものを指す呼称として用いられる。ただし呼称としては、材質や形状にかかわらず、かき氷の器の呼称として現在も用いられることがある。 == 氷コップの種類と特徴 == 素材は、主にソーダ石灰ガラスが用いられている。透きガラス以外に、さまざまな色ガラスも単独または組み合わせて用いられた。紫外線を当てると、着色剤として用いられたウランやその他の不純物による、緑色の蛍光を示すものも多く見られる。 製法としては、宙吹き、型吹き、プレスが用いられた。 ただし、カップの部分とステム・フットの部分で別の製法を用いたハイブリッドのものも生産された。 形状は、氷を入れるカップの部分とステム・フットの部分からなる。 氷皿や蜜豆用の小鉢についても広義に氷コップという呼び方が用いられている場合も見受けられるが、昭和初期(1930年代)の佐々木硝子の型録では、ステム・フット付のもののみを"氷コツプ"と呼んでいた。 カップの部分の形状によって、なつめ(棗、夏目)型、碗型、ラッパ型、リン(ベル)型等に分類される。 サイズは、各形状ごとにおおよそ同じである〔寸基準がメートル基準か、あるいは製造誤差によるばらつきは見られる。〕。 形状以外の意匠において、特に手吹きの氷コップの意匠については、パーツにより異なる色ガラスを用いたり、カップの部分に文様を施すなど、変化に富んでいる。これは日本の大正時代頃の様々なガラス製品にも見られるが、特に氷コップや蜜豆鉢に顕著である〔ガラス工芸家の岩田藤七は、『ガラス十話』(毎日新聞、1964年(昭和39年))に「明治中期以降からつくられた氷コップ、氷碗には、口紅のぼかし、瑠璃ぼかし、あぶりだしオパールの西洋の技法が日本化されているが、これは高く評価してよいと思う」と書き記している。〕。 カップの部分に施された文様としては、使用される技法により実現されたものと、オパルセントグラス(オパールガラス、オパーセリン)によるあぶり出し技法を使って様々な文様を描いたものがある。 文様を描くのに使用されたガラスの技法としては、宙吹き製のものについては、あぶり出し、暈し、掻き揚げ/マーブル、吹雪/色吹雪、千段巻き/糸巻き、象嵌、飛線(とびせん、通称:めだか)、色被せなどがあり、単独または組み合わせて使用された。型吹き製やプレス製のものでは、主にレリーフによって様々な文様が描かれた。 オパルセントグラスを用いたあぶり出し技法を用いて描かれた文様には、伝統的な和の文様が多く用いられ、その種類は多い。 市松、水玉、玉垂れ、七宝繋ぎ、輪繋ぎ、籠目、鱗、卍くずし、十字絣、亀甲/毘沙門亀甲、矢羽、梅鉢紋といった着物等に用いられた文様や、具象模様として、蝶と菖蒲、桜花、波千鳥、柳に燕などがある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「氷コップ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|