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『江戸生艶気樺焼』(えどうまれ うわきの かばやき)は、江戸時代中期の文学作品。山東京伝の黄表紙の代表的な作品。3冊。発刊は1785年(天明5年)。京伝24歳の作品。 挿絵は山東京伝(北尾政演)自作。版元は蔦屋重三郎。 ==あらすじ== ===上巻=== 百万長者仇気屋の一人息子艶二郎〔顔は不細工な団子鼻で、様々な作品や京伝の自画像にも使われ、京伝鼻・艶二郎鼻といわれた。〕は19歳だが、生来好色で、新内節に登場する色男のように自分も浮名を流せたら死んでもいいなどと馬鹿馬鹿しいことを考えていた。 艶二郎は、近所の道楽息子北里喜之介や幇間医者わる井志庵とつるんで、さまざまに色事の工夫を凝らしていた。喜之介「新内めりやす〔京伝も1786年(天明6年)に新内めりやす「すがほ」を作詞している。〕が色事には欠かせない。恋文も封じ目の仕方や書き手の遊女の名前が源氏名ではなく本名を書くようになると深い仲と知れる」志庵「恋文を書き終わり巻紙を口紅のついた口で切るのはしろうと女ではないし、耳の脇に枕胼胝があるのも商売女と知れる」 艶二郎は情人の名を刺青するのが好色の第一歩と思い、両腕や指の間にまで架空の情人の名を痛みをこらえて彫りこんでいった。喜之介「女の嫉妬で彫り物を消した痕があったほうがいいから灸をすえて消そう」艶二郎「色男になるのもつらいね」 艶二郎は、役者などの家に熱狂的な女ファンが思い余って駆け込んでくるのを羨ましく思い、近所の芸者おゑんを50両で雇い自分の家に駆け込ませようと志庵に交渉させた。 駆け込んできたおゑんを見て、艶二郎の家の下女たちは「うちの若旦那に惚れるとは物好きな変わり者だ」とささやきあった。おゑん「わたしは寄る辺なき浮気な芸者。薬師堂の縁日で艶二郎さんを植木の蔭から見初めました。女房になれないなら飯炊き女にでもしてください。それも駄目なら死ぬ覚悟」と注文された通りの台詞を並べる。艶二郎「色男というものは思わぬ難儀を背負い込むものだ。(おゑんにそっと)あと10両はずむからもっと大きな声で隣近所に聞こえるように言ってくれ」番頭「不細工な若旦那にはよもやこういうことはあるまいと思ったのに。これ女、家を間違えたのではないか」艶二郎の父親は仕組まれたこととは知らず困惑してようよう女を帰らせた。 この噂はぱっと世間に広まるだろうと思いのほか隣家にさえ伝わらなかったので艶二郎は張り合いをなくし、ついに読売〔世間の出来事を摺り物にして路上で売り歩く者〕を1人1両で雇い、おゑんの件を印刷した摺り物を江戸中で売らせた。読売「仇気屋の息子艶二郎という色男に芸者が惚れて駆け込んだよ。詳しくはこの摺り物に書いてあるよ。お代はいらないよ」窓から見ていた女「みんな嘘八百じゃないの。ただでも読むのが面倒さ」 艶二郎はくしゃみをするたびに世間が自分のことを噂しているだろうと思うが、町内でさえおゑんの件を知る者はいない。この上は女郎買いをして浮名を流すしかないと考え、喜之介・志庵を取り巻きにして吉原のうはき松屋に行った。女将「瀬川さんと歌姫さん〔いずれも吉原の代表的な妓楼松葉屋の実在の遊女〕は都合が悪くて来れそうもありません。最近、森田座で松本幸四郎が墨河〔京伝が親交を結んでいた吉原の妓楼扇屋主人守右衛門の俳名。彼が郭内の素人芝居で工藤を演じたので、幸四郎が工藤を演じることを墨河を演じると表現している。〕を演じるそうですね。」 艶二郎は浮名屋の浮名という遊女に決めて、浮名に惚れられるつもりで精一杯気取り襦袢の襟元を整えたりするのであった。志庵「(浮名に)おまえは世間では客あしらいの巧みな女郎という評判だね」喜之介「(浮名に)まるで女郎衆の総元締めみたいだ」浮名「(志庵・喜之介に)頼みますからいい加減なことをおっしゃいますな」 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「江戸生艶気樺焼」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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