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オイルシェール〔文部省・土木学会編 『学術用語集 土木工学編 増訂版』 土木学会、1991年、ISBN 4-8106-0073-4。(オンライン学術用語集 )〕()、油母頁岩(ゆぼけつがん)〔文部省編 『学術用語集 地学編』 日本学術振興会、1984年、ISBN 4-8181-8401-2。(オンライン学術用語集 )〕、油質頁岩(ゆしつけつがん)、油頁岩(ゆけつがん)とは、油母 (ケロジェン、:en:kerogen) を多く含む岩石である。これらを化学処理して液状もしくはガス状炭化水素とすることができる。 頁岩(シェール)以外にも油母を含む岩石があり、これもオイルシェールに含める場合がある。また、油母は多くの場合複雑な有機化合物であり、固体状であるので、これを液状や気体に変えるには工業的な処理が必要である〔 〕。そのため「オイルシェール(油分を含む頁岩)」、「シェールガス(頁岩由来ガス)」という用語は指し示す範囲が広く、この語を扱う場合にはそれが何を指しているのか十分に注意する必要がある。 オイルシェールはアメリカ合衆国を始めとして世界各地に埋蔵されている。世界的には2兆8000億~3兆3000億バレルが埋蔵されていると言われている〔〔 〕〔 〕〔 〕 。 油母を熱分解することで、合成石油にすることができる。すなわちオイルシェールを加熱すると、油の蒸気や可燃性のガス(オイルシェールガス。シェールガスとは異なる)が発生するので、これを回収して使用する。オイルシェールを発電や暖房目的で直接燃やすこともあり、化学産業の原料として使うこともある〔。 オイルシェールは石油の代替エネルギーとなりうる〔 〕〔 〕。 オイルシェールの採掘と処理は、土地利用、廃棄物処理、水利用、水質汚染、大気汚染などの環境問題を引き起こす可能性がある〔〔 。オイルシェールの工業的利用は、エストニア、中華人民共和国、ブラジルで盛んであり、ドイツ、イスラエル、ロシアでも実施されている。 == 地質学的性質 == オイルシェールは腐泥岩(:en:sapropel)の一種であり、有機物を多く含む堆積岩である〔 〕。オイルサンドが油分を含むのに対し、オイルシェールに含まれる油母は地中での加熱や加圧が不十分なため、油分にまで分解していない〔〔 〕〔 〕。また、石炭に比べると有機物の含有率が低い。商業的に取引されているオイルシェールに含まれている有機物と無機物の比率は、0.75:5から1.5:5(つまり有機物の割合が13%から23%)である。また、原油中の有機物に含まれる水素原子は炭素原子の4~5倍あるのに対し、オイルシェール中の有機物の水素原子と炭素原子の比率は同じぐらいである〔〔。 なお、オイルシェールに厳密な地質学的定義は無い。そのため、オイルシェールという名で呼ばれていても、油分の含有量、化学組成、年代、油母の種類、堆積年数にはかなりの差がある〔 〕 。オイルシェールの鉱床の境は必ずしも明確ではなく、含まれている有機物の種類も一定でない場合が多い。例えばスコットランドのオイルシェールは、有機物を多く含む層と、あまり含まない層とが入り混じっている。経験則であるが、良質のオイルシェールはチョコレートのような茶色をしており、ハンマーで叩いた時に木のような音がする。油母は古代のさまざまな生物が変質したものである。例えば、藻、胞子、花粉、植物の表皮、草木のコルク質、水生生物の堆積物などである〔〔 〕。化石を含む鉱床もある。ドイツのメッセル採掘場はユネスコの世界遺産に登録されているほどである。オイルシェールに含まれる鉱物は、微粒子ケイ酸塩や炭酸塩が多い〔〔。 オイルシェールに含まれる鉱物組成により炭酸塩質頁岩 (carbonate-rich shales)、珪酸質頁岩 (siliceous shales)、燭炭質頁岩 (cannel shales)と分類する者もいる〔 〕。含まれる油母の種類で分類する方法もあり、含有有機物の水素、炭素、酸素の比率で分けた図はKrevelen図と呼ばれる〔。 最もよく使われるオイルシェールの分類法は、ウロンゴン大学のAdrian C. Huttonが1987~1991年に開発したものであり、この方法は油母の元となった生物の堆積場所(湖、海など)とその生物量に基づいている〔〔 〕。Huttonの分類法は、抽出される油の種類と量を推定するのに便利である〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「オイルシェール」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Oil shale 」があります。 スポンサード リンク
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