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治水ダム(ちすいダム)とは、ダムの目的の中で治水(洪水調節・農地防災、不特定利水)に特化した目的を有するダムのことである。 概ね小規模のものが多いが、近年では大規模な治水ダムも計画されている。治水に限定して建設されるので、水道(上水道・工業用水道)の供給や水力発電は行わない。治水ダムにはダム湖に貯水をするものと、全く貯水を行わないものとがあり、後者は特に穴あきダムと呼ばれる。 ダムの型式については、重力式コンクリートダムの採用が大半を占めるが、ロックフィルダムやアースダム、さらにはそれらの複合型であるコンバインダムを採用した例もある。 == 沿革 == ダム建設の目的は、まず灌漑(かんがい)用水の供給に始まり、その後上水道供給に比重が移され、18世紀に入ってからヨーロッパを中心に洪水調節を目的としたダムが建設されるようになった。だが程なくして1889年にプロイセンのインツェが多目的ダムの理論を提唱し、以後は単一目的のダムを建設するよりも複数の機能を持ったダムを建設したほうが合理的であるという観点から、河川総合開発事業としての多目的ダム建設が隆盛となり、現在に至るまで海外においては治水を専用とするダムが建設されるケースは少ない。特にヨーロッパでは治水政策がほぼ完成に向かい、1万年に一度の大洪水にも耐えうるほどの対策が完備しているため、今後治水目的でダムが建設されることはまずない。 日本においても同様の流れでダム建設は進められていて、戦後になると経済安定本部が中心となってまとめた「河川改訂改修計画」により利根川や淀川など全国各地の河川において多目的ダムが建設された。同時期、打ち続く台風による水害から地域の復旧を行うことを目的に、地域の災害復旧に助成金を支給して復興援助を行う「河川等災害助成事業」が全国各地で実施された。この中で山口県はキジア台風による錦川流域の被害を受け、災害助成制度に基づいて洪水調節を主目的としたダムの建設を行った。これが御庄川ダム(みしょうがわダム)であり、1953年(昭和28年)に完成を見た。この後香川県の五名ダム(湊川)や茨城県の藤井川ダム(藤井川)が治水専用ダムとして建設されていった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「治水ダム」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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