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法身普賢(ほっしんふげん)は梵:サマンタバドラ(samantabhadr)といい、チベット語ではクントゥ・サンポ(kuntu bzangpo)、あるいはクンツサンポと呼ばれる。後期密教における最高位の存在で、全ての仏の父母であり、根源である究極の存在。法身普賢は如来の姿をとり、双身と単身の二相があるが、双身は結跏趺坐の姿で、后である普賢仏母(クントゥ・サンモ:kuntu bzangmo)とヤブユムの姿で歓喜〔対面座位〕している。中国密教では普賢王如来とも呼ばれる。 == 概説 == 法身普賢は梵名が同じであるために、チベットでは八大菩薩の普賢菩薩と同じ名前の「クントゥ・サンポ」と呼ばれるので誤解され易いが、密教では普賢菩薩ではなく正式名を法身普賢金剛手、金剛手菩薩(ヴァジュラ・パーニ)が普賢の行願を成就し、成仏して大日如来となった姿を指している。『大日経』(大正蔵:№848)〔『大日経』は、唐の善無畏三蔵の訳による密教経典。成立は6世紀で、別名を『大毘盧遮那成仏神変加持経』、『大毘盧遮那経』ともいう。〕に初出して、『理趣経』(大正蔵:№243)〔『理趣経』は、唐の不空三蔵の訳による密教経典。別名を『大楽金剛不空真実三麼耶経』、『金剛頂瑜伽般若理趣経』、『大楽不空真実三摩地耶経般若波羅蜜多理趣品』ともいう。〕等にも説かれるが、中期密教の大日如来が法身でありながらも五智の宝冠をかぶった報身の菩薩形であるのに対して、後期密教では『大幻化網タントラ』等を典拠として、法身の如来形である大日如来の姿をとるという違いがある。 中期密教において、大日如来(法身仏)が密教の教主として編成され、後期密教では、大日如来は五仏(五智如来)の中心的存在ではあるが、更にそれを超える根源的な存在となる法身の「本初仏」として、この法身普賢が大悟されたのである。 「本初仏」とは、一切の仏が存在する前の原始仏であり、全ての仏の父母とみなされる。つまり「本初仏」は、仏の覚りそのものであって、具体的な形相をとらないが、方便として上記のような姿でタンカなどに描写される。 チベット仏教(後期密教)では法身普賢が、法身の金剛薩埵(ヴァジュラ・サットバ)、法身の金剛総持(ヴァジュラ・ダラ)とともに「本初仏」として尊崇される。これらの三尊のうち、どれを特に尊崇するかは、チベット仏教の宗派によって異なる。法身普賢はニンマ派で、金剛総持はカギュ派で、「本初仏」、あるいは「原初仏」として尊崇される。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「法身普賢」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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