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【名詞】 1. tsunami 2. tidal wave・ 津浪 : [つなみ] 【名詞】 1. tsunami 2. tidal wave
津波(つなみ)は、主に地震や火山活動に起因する海底地形の急変により、海洋に生じる大規模な波の伝播現象である。強風により発生する高波、および気圧の低下などで起こされる高潮、副振動(セイシュ)、原因が解明されていない異常潮位とは異なる。 1波1波の間隔である波長が非常に長く、波高が巨大になりやすいことが特徴である。地震による津波では波長600km、波高5m超のものが生じた事がある(津波が陸上に達するとこの値は大きく変わる)〔西村、1977年、123-124頁〕。 津波という現象は、例えるならば大量の海水の塊の運動であり、気象など他の要因で生じる波とは性質が大きく異なる。大きな津波は陸地に浸入し、種々の災害を発生させる。 == 概要 == 20世紀後半以降「Tsunami」は世界で広く一般にも使用されるようになったが、そもそも日本語における「津波」の語源(後述)は沖で被害が出なくても津(=港)で大きな被害が出ることからきている。 津波は、沖合から海岸に近づき海底が浅くなるにつれて波高が高くなり、海岸線では沖合の数倍に達する。湾口で2mのものが湾奥で5m超になった事例もある〔。また海底が浅くなるにつれて波長は短くなるが、海岸線でも数百m - 数km程度ある〔宇津、2001年〕。 上陸した津波は、依然として大きな水圧を伴った高速の波として、数分から数十分の間押し寄せ続けたら(押し波)、今度は海水を沖へ引きずり続け(引き波)、しばらくしたら再び押し寄せて(押し波)、という具合に押し引きを繰り返し、やがて減衰していく。大きな津波は、陸上にある建物、物品、そして人間を押し流し、景色を一変させ、甚大な被害をもたらすことがある。また大きな津波は海岸に続く河川を遡るほか、海上でも被害をもたらすことがある〔。 特にリアス式海岸の湾奥では狭く細長く深い湾が津波の威力を集積させるため、また海に突き出た岬の先端では周囲からの回り込みの波が重なるため、他の海岸に比べて同じ津波でも被害が大きく、より小さな津波でも被害を受けることが知られている〔西村、1977年、91頁〕〔気象庁〕。 また海岸では、日本の三陸海岸の港町のように津波を防ぐために防潮堤、あるいは通常の波浪を防ぐなどの目的で堤防が築かれている所があり、これらは津波の被害を軽減する役割を果たす。一例として、2011年に発生した東北地方太平洋沖地震(M9.0を観測)に伴う津波は沿岸の広い範囲に甚大な被害をもたらしたが、岩手県下閉伊郡普代村の普代水門・太田名部防潮堤(ともに高さ15.5m)や同県九戸郡洋野町の防潮堤(高さ12m)は決壊せず、津波の影響を大幅に減衰させて集落進入を防いだ結果、軽微な被害にとどまっており、特に普代村においては被災民家および死者は発生しなかった〔明治の教訓、15m堤防・水門が村守る - 読売新聞(2011年4月3日付、同月24日閲覧)〕〔岩手県普代村は浸水被害ゼロ、水門が効果を発揮 - 日本経済新聞(2011年4月1日付、同月24日閲覧)〕〔津波で5超の防潮堤損壊 岩手県が効果検証へ - 共同通信(2011年4月12日付、同月24日閲覧)〕〔 普代守った巨大水門 被害を最小限に - 岩手日報(2011年4月24日閲覧)〕。 その一方で津波被害をカバーできない場合もある。例えば、津波を起こした地震で損壊したり地盤沈下により海面が上昇したりして、堤防の機能が弱まることがある。また防潮堤や水門は人が駆けつけることができない場合や、停電などの影響で閉められないことがある。こうした例があり、防潮堤による津波対策を再考する動きもある〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「津波」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Tsunami 」があります。 スポンサード リンク
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