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ロマン主義(ロマンしゅぎ、、、、、、)は、主として18世紀末から19世紀前半にヨーロッパで、その後にヨーロッパの影響を受けた諸地域で起こった精神運動の一つである。それまでの理性偏重、合理主義などに対し感受性や主観に重きをおいた一連の運動であり、古典主義と対をなす。恋愛賛美、民族意識の高揚、中世への憧憬といった特徴をもち、近代国民国家形成を促進した。その動きは文芸・美術・音楽・演劇など様々な芸術分野に及んだ。のちに、その反動として写実主義・自然主義などをもたらした。 == 概要 == ロマン主義は教条主義、古典主義の対概念としてとらえられるもので、アメリカの哲学者・アーサー・ラブジョイ(:en:Arthur Oncken Lovejoy)は「ロマン主義の時代」を1780年から1830年としている〔ROMANTICISM-Dictionary of the History of Ideas 、2009-08-20閲覧。〕。また、ロマン主義は産業革命の大きな原動力となった〔''Romanticism''. Retrieved 30 January 2008, from Encyclopædia Britannica Online 〕。その萌芽は既にベルナルダン・ド・サン=ピエールやディドロに見られ〔ドミニック・ランセ『十九世紀フランス文学の展望』、白水社文庫クセジュ、1980年、pp9-10。〕、セナンクール、スタール夫人、バンジャマン・コンスタン、フランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアンといった初期ロマン派作家によってそれまで教条主義によって抑圧されてきた個人の根本的独自性を根本とした表現が特徴とされる。これらはナポレオン1世の第一帝政に対する文化的抵抗運動の中で文芸サロンやサークルの中で醸成された。また、フランスのジャン=ジャック・ルソーの著作がドイツに伝えられたことで始まったドイツのロマン主義は、さらに再びフランスに逆輸入される形でその花を開いた〔 〕。フランスのロマン主義運動はオノレ・ド・バルザック死後の1850年代以降勢いを失い、シャルル・クロス等の小ロマン派を除いては〔澁澤龍彦『小ロマン派群像』(「悪魔のいる文学史」〔中公文庫〕所収)〕その座を写実主義、自然主義、高踏派等に譲ることになるが〔ドミニック・ランセ『十九世紀フランス文学の展望』、白水社文庫クセジュ、1980年、p83。〕、その影響はヨーロッパ全域に広まり、世紀末から20世紀の初頭の後期ロマン主義にまで及んだ。ロマン主義を信奉する傾向や集団を指してロマン派 とも呼ばれる。 ロマン主義の底流に流れているものは、古典主義や教条主義がしばしば無視した個人の根本的独自性の重視、自我の欲求による実存的不安といった特性である。ロマン主義においては、それまで古典主義において軽視されてきたエキゾチスム・オリエンタリズム・神秘主義・夢などといった題材が好まれた。またそれまで教条主義によって抑圧されてきた個人の感情、憂鬱・不安・動揺・苦悩・個人的な愛情などを大きく扱った。また、古典主義はその技法上の制約によって芸術的自由を抑圧したと非難する主張から、及び古典主義の欠陥に対する反発からロマン主義の一部は出発したとされる〔ドミニック・ランセ『十九世紀フランス文学の展望』、白水社文庫クセジュ、1980年、p25。〕。 この特性及び主張は道徳やキリスト教的倫理から文学を解放し、やがて写実主義・自然主義へと継承された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ロマン主義」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Romanticism 」があります。 スポンサード リンク
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