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浮舟の母(うきふねのはは)とは、源氏物語に登場する架空の人物。この人物は本文中ではしばしば「中将の君」と呼ばれているためこの「中将の君」という通称で呼ばれることもあるが、源氏物語の本文中において「中将の君」と呼ばれている人物は、空蝉の女房〔稲賀敬二「作中人物解説 中将の君 一」池田亀鑑編『源氏物語事典下巻』東京堂出版 1960年(昭和35年)(合本は1987年(昭和62年)3月15日刊)、p. 367。 ISBN 4-4901-0223-2 〕、六条御息所の女房〔稲賀敬二「作中人物解説 中将の君 二」池田亀鑑編『源氏物語事典下巻』東京堂出版 1960年(昭和35年)(合本は1987年(昭和62年)3月15日刊)、p. 367。 ISBN 4-4901-0223-2 〕、光源氏の侍女〔稲賀敬二「作中人物解説 中将の君 三」池田亀鑑編『源氏物語事典下巻』東京堂出版 1960年(昭和35年)(合本は1987年(昭和62年)3月15日刊)、p. 367。 ISBN 4-4901-0223-2 〕、朝顔の姫君の女房〔稲賀敬二「作中人物解説 中将の君 四」池田亀鑑編『源氏物語事典下巻』東京堂出版 1960年(昭和35年)(合本は1987年(昭和62年)3月15日刊)、p. 367。 ISBN 4-4901-0223-2 〕、今上帝の女一宮の女房〔稲賀敬二「作中人物解説 中将の君 六」池田亀鑑編『源氏物語事典下巻』東京堂出版 1960年(昭和35年)(合本は1987年(昭和62年)3月15日刊)、p. 368。 ISBN 4-4901-0223-2 〕と何人かいるため、浮舟の母である「中将の君」であることを明確にしたい場合には「浮舟の母」と呼ぶことが多い〔櫻井清華「母装するひと--浮舟の母・中将の君」古代文学研究会編『古代文学研究 第二次』第18号、古代文学研究会、2009年(平成21年)10月、pp. 57-69。 〕〔古田正幸「浮舟の母と乳母--『源氏物語』と乳母・乳母子」『東洋大学大学院紀要(文学(国文学))』第45集、東洋大学大学院、2008年(平成20年)、pp. 51-71。のち「母親と乳母の関係―浮舟の母・中将の君と浮舟の乳母―」『平安物語における侍女の研究』笠間書院、2014年(平成26年)2月、 pp.215-241。 ISBN 978-4-305-70713-0〕〔瀬戸内寂聴「源氏物語の脇役たち(22)浮舟の母(中将の君) 」『図書』第606号、岩波書店、1999年(平成11年)10月、pp. 60-63。 のち「浮舟の母(中将の君) 」『源氏物語の脇役たち』岩波書店、2000年(平成12年)3月、pp. 187-195。 ISBN 978-4-00-022709-4 〕。 == 概要 == 宇治八の宮の正妻(北の方)の姪であり、叔母に当たる宇治の八の宮の北の方が亡くなった後、八の宮に情けをかけられて浮舟を産むことになる。しかし八の宮は間もなく世をはかなんで俗聖となったため、浮舟を子供として認知してもらうことが出来ず、自身も八の宮の妻(側室)といった地位を得ることもなかった。その後自身は陸奥守(後の常陸介)の後妻となって夫と共に陸奥国に下り、小君ら何人かの子をもうけるが、父親に認められなかった浮舟を哀れに思い他の子供より気にかけている。 橋姫巻では宇治の八の宮は「北の方を失ったことにより世をはかなんで俗聖となった」とのみ述べられており、その間にこの浮舟の母に情けをかけ子をもうけたといった記述は一切無く、浮舟が登場する宇治十帖の後半部と整合性がとれていないために、橋姫巻を執筆していた時点では宇治十帖の後半部である浮舟物語の構想はまだ存在しなかったのではないかとの見方も存在する。 なお、この八の宮が浮舟母子に対してとった冷淡とされる態度について、当時の身分制度の元では特に異例なものとは言えず、作中で描かれているような状況で子を産んだときに公式に妻(側室)や娘として認められる場合の方がむしろ異例と言えるとの見解も存在する〔藤本勝義「浮舟の母・中将の君論」森一郎,岩佐美代子,坂本共展編『源氏物語の展望. 第9輯』三弥井書店、2011年(平成23年)4月、pp. 193-224。 ISBN 978-4-8382-3207-9 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「浮舟の母」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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