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『浴女』 (よくじょ、)、もしくは『ヴァルパンソンの浴女』 () は、1808年フランスの新古典主義の画家ジャン・オーギュスト・ドミニク・アングルによる絵画で、1879年以降ルーヴル美術館に所蔵されている。 アカデミー・フランセーズ在籍中にローマで描かれたもので、当初は『座った女』という題が付けられていたが、19世紀の所有者の一人の名前で知られるようになった。 最初の公開時、作品は批評家に好意的に迎えられることはなかったが、ほぼ50年後、画家の名声が確立したころには、ゴンクール兄弟が「レンブラント自身もこのほのかな色合いの上半身の琥珀色をうらやむに違いない」と記す一方、ルーヴル美術館は「調和のとれた線描と繊細な光が印象的な傑作」と評した〔"The Bather, known as the Valpinçon Bather ". Louvre. Retrieved on May 08, 2009.〕。 アングルには1807年の『半身像の浴女』など初期裸婦像もあるが、『ヴァルパンソンの浴女』は、彼がこの主題で取り組んだ最初の大作だと広く認識されている。 それ以前の小さな作品同様、モデルは背中を正面に向けているが、『ヴァルパンソンの浴女』はさらに、初期の絵のようなあからさまな官能性が消え、代わりに穏やかでそこはかとない官能性を表している〔Rosenblum, 66〕。 シャルル・ボードレール (1821-1867) は、モデルは「奥深い逸楽」を持っていると評したが、それでもなおさまざまな点で、簡素な清らかさを有していると紹介される〔。 この矛盾は、絵の多くの要素に表れている。 ひねった首、背中から脚にかけての曲線は、メタリック・グリーンのカーテンの襞や、モデルの前の白いカーテンのうねり、ベッドのシーツやリネンの折り目で強調されている。 またそれらに拮抗する要素として、モデルの肌色の冴えた表現や、左側にある縞目の黒い大理石などがある〔。 アングル独特の人体の表現について、芸術評論家のロバート・ローゼンブラムは「『ヴァルパンソンの浴女』からは、時が止まったかのような静寂感、 引力に逆らうかのような浮遊感が感じられ・・・人物は重力を失ってエナメルのようになめらかな表面の上に漂い、非常に繊細な圧力だけを及ぼすように見える一方で、地に根差した姿態の重量感は、熱心な議論の的となった〔。」と記した。 アングルは、この主題を生涯に繰り返し描いている。 1863年の『トルコ風呂』の前景中央、マンドリンを弾く人物で、『ヴァルパンソンの浴女』のモデルと同じモチーフが再び用いられている〔Rosenblum, 128〕〔Mirzoeff, Nicholas. "Bodyscape". Routledge, 1995. 116. ISBN 0-415-09801-7〕。 == 脚注 == 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「浴女」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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