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『海の底の臼』〔アスビョルンセンとモー『ノルウェーの昔話』(大塚勇三訳、福音館書店〈世界傑作童話シリーズ〉、2003年、978-4-8340-0828-9)で確認した日本語題。〕(うみのそこのうす。『海の底のひき臼』〔ペーター・クリステン・アスビョルンセン&ヨーレン・モー『ノルウェーの民話』(米原まり子訳、青土社、1999年、ISBN 978-4-7917-5721-3)で確認した日本語題。〕、『海の水はなぜからい?』〔アスビョルンセン『太陽の東 月の西』(佐藤俊彦訳、岩波書店〈岩波少年文庫〉、2005年新版、ISBN 978-4-00-114126-9)で確認した日本語題。〕、『海の水がからいわけ』〔『アンドルー・ラング世界童話集 第1巻 あおいろの童話集』(西村醇子監修、東京創元社、2008年1月、ISBN 978-4-488-01856-6)で確認した日本語題。〕とも。、)は、ペテル・クリスティン・アスビョルンセンとによって著作『ノルウェー民話集』に収集された、ノルウェーの民話である〔。 スノリ・ストゥルルソンの『詩語法』に見える『グロッティの歌』の、新しい時期の派生作品とみられる。 この話はアールネ=トンプソンの『昔話の型』における民話タイプ AT565「魔法の臼」に分類されている〔。 日本でもごく内容が酷似する類話が柳田國男などにより収集されているが〔〔、アスビョルンセンとモーが出版した近代話が外国語訳を経て流入されたものだと考察される。類話としては、中国民話『水の母(en)』やドイツではグリム童話『おいしいおかゆ』等がある。 ==あらすじ== ある貧しい男性が、クリスマス・イブに彼の兄を訪ねて物乞いをした。兄は、弟が何かをしてくれるならと条件をつけ、弟にハム(異本によってはベーコン、子羊の肉など)をやると約束した。貧しい弟は約束を承諾した。金持ちの兄は食べ物を放り投げ、弟に地獄(Hell)へ行くよう言った。(ラングによる異訳では「死者の集会場(hall)」とも。)兄と約束してしまったため、弟は地獄へ出発した。 古代北欧の異本では、その後弟は途中で老人に会う。多くの異本において、老人が弟に物乞いをし、弟は何かを与えることとなる。そしてすべての伝承で、老人は弟に地獄(Hell、または集会場)のことを話す。「そこにいる者たちがおまえから食物を買いたがたるが、戸の後ろにある手回しの碾き臼のみを対価として食物を売らなければならないぞ。また臼の使い方を指示されるために儂のところに戻って来なければならないぞ」と。臼を所有する人々との交渉にはかなり手間取ったが、貧しい弟は臼の入手に成功した。そして弟が老人の元に戻ると、老人は臼を使う方法を彼に教えた。 弟は自分の妻のところに臼を持っていった。そして彼らがクリスマスのために必要とするものすべて、明かりやらテーブルクロスやら肉やらエールやらを臼から碾き出した。二人は十分に食べた。3日目には二人は知人を呼び、大宴会を開いた。兄はこれに驚いた。貧しい弟は、酒を飲みすぎた時に、この金持ちの兄に碾き臼のことを教えてしまった(または弟の子供たちが無邪気に秘密を漏らした)。兄は臼を売るように弟を説き伏せ、とうとう承諾させてしまった。 古代北欧の異本では、貧しい弟は臼の取り扱い方法を兄に教えなかった。兄はニシンとブイヨンを碾き出させた。ところが大量のニシンとブイヨンが兄の家に溢れてしまった。兄が、臼のために弟に支払ったのと同じくらいの多額のお金を、弟に支払うまで、弟は臼を引き取らなかった。 北欧の伝承においては、ある日、船長が弟からこの碾き臼を買おうとし、結局弟を説得した。そしてすべての異本において、新しい所有者は海上に臼を持ち出し、塩を碾き出させた。船を沈めるまで臼は塩を碾き出し続け、さらに海中でも碾き続けた。そして、海水の塩分を出し続けた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「海の底の臼」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Why the Sea is Salt 」があります。 スポンサード リンク
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