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海軍無線電信所船橋送信所(かいぐんむせんでんしんじょふなばしそうしんじょ)は現在の千葉県船橋市行田にあった無線電信所である。地元民からは行田無線・行田の無線塔などとと呼ばれた。 == 概要 == この施設は日露戦争後、聯合艦隊の行動範囲の拡大に伴い東京近郊の東葛飾郡船橋町周辺にある塚田村行田(現船橋市行田)に設置された海軍の無線電信施設で太平洋戦争(大東亜戦争)の時に真珠湾攻撃部隊に「ニイタカヤマノボレ1208」の電文を送信した事で一般に広く知られている(船橋送信所が艦船へ向けて「短波」「中波」を送信し、依佐美送信所が潜水艦に向けて「超長波」を発信した)。 無線関係の機器一式はドイツのテレフンケン社製のものが採用され、ジーメンス社に発注が行われた。1913年に着工したが翌1914年に第一次世界大戦が起こり日本がドイツに宣戦布告をしたことからジーメンス社の技術者が図面を焼却、帰国してしまい工事は困難を極めたが、1915年4月には開所式が行われ、同年7月ハワイとの間で通信試験に成功。8月より正式に軍用通信が開始された〔「県立行田公園の概要」と題する公園内の案内板には「''大正4年海軍省によって建設''」と記載がある。〕。 1916年には逓信省の通信所が併設され、外国航行船舶等に乗り組み日本を遠く離れていた船員達に大相撲の結果などを知らせ喜ばれるなど、民間向けにも利用されたという記録も残っている。 ハワイの無線局と日米間通信が1924年まで行われたが、中でも1923年に起こった関東大震災の際には銚子無線電信所と共に通信が壊滅状態になった東京都心の被害情報を横浜港に停泊中の船舶からの打電を受信して新聞社が集まる大阪市など国内外に発信、救援活動に多大な貢献をした。なお、この出来事は船橋の名を広く世界に知らせるきっかけとなった。また同年、霞ヶ関の海軍省内に受信所が置かれたため名称が「海軍無線電信所」から「海軍無線電信所船橋送信所」に改められた。 昭和10年代には写真で見るように無線等の鉄塔に建て替えられた。鉄塔の高さは約60メートルから200メートル近くあるものもありランドマーク的な役割を担い、船橋市民(特に西船橋周辺の地域の住民)に親しまれた。 戦後は進駐軍が接収し〔終戦直後、海神 (船橋市)に寓居していた永井荷風は、送信所や隣接する中山競馬場の近辺をしばしば散策した。接収後も畑作は自由で、高台にある送信所の周辺低地では稲作が行なわれていた模様。 『荷風戰後日歴 第一 』 1946年10月以降〕、1966年に返還されたが1971年5月19日から解体が開始された(1972年まで)。 今日ではモニュメント(記念碑)が残されるのみだが送信所特有の円形の道路区画などはそのまま生かされている。跡地には学校や団地・県立公園などの施設などが併設されている。 なお電信所の鉄塔は水田や田畑の間に建っていたため、電信所施設以外は耕作などのため立ち入る事が可能だった。行田無線塔跡は2008年に電気通信技術の歩みを物語る近代化産業遺産群として近代化産業遺産に指定された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「海軍無線電信所船橋送信所」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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