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淡路山丸(あわじさんまる)は、三井物産船舶部が運航していた1939年に竣工の貨物船である。太平洋戦争前に建造された日本の大型高速貨物船の頂点に立つ優秀船であったが、太平洋戦争開戦初日の1941年12月8日にイギリス空軍機の爆撃で炎上放棄され、日本の戦没商船第1号となった〔。 == 建造 == 本船は、ニューヨークライナーと総称された日本のパナマ運河経由ニューヨーク航路の高速貨物船の一隻である。同航路には、1930年(昭和5年)に大阪商船が就航させた畿内丸型貨物船を皮切りに、日本の大手船会社が競って高速船を投入し、貨物船の花形扱いされていた〔岩重(2011年)、24頁。〕。三井物産船舶部(商船三井の前身)は、大阪商船・国際汽船に次いで参入し、1933年(昭和8年)の「我妻山丸」型2隻以降、「阿蘇山丸」型2隻・「有馬山丸」型3隻を就航させていた。そして、三井物産船舶部のニューヨークライナー最終船となったのが、この「淡路山丸」と「綾戸山丸」の姉妹船であった〔岩重(2011年)、27頁。〕。 「淡路山丸」は、玉造船所(三井造船の前身)で建造された。主機関には、三井物産が輸入を扱っていたバーマイスター・アンド・ウェイン(en, B&W)のディーゼル機関を搭載し、最大出力10,810馬力で、日本貨物船で当時の史上最速となる19.9ノットを発揮した〔。なお、B&W式ディーゼル機関は背が高い形状をしているため、重心上昇を恐れる日本海軍には好まれず、本船が日本陸軍により徴用される一因となったのではないかという見方もある〔岩重(2011年)、23頁。〕。荷役設備は門型デリックポストを前後甲板に2基ずつ配置し、重量物用のヘビーデリックも有している。 「淡路山丸」型は、これまでの三井物産ニューヨークライナーと同様、美的に凝ったデザインとなっている〔。特に船橋まで含むと五階建ての従来貨物船より一層多い中央上部構造物が目立ち、内部には7室12人分の豪華な造りの客室が設置されていた。上部構造物の前半は下部3層相当を2層に区切ることで天井を高くし、船客用のサロンに充てていた。これらは貨物船の補助旅客設備として異例の豪華さであった〔。 ニューヨークライナーの多くはスクラップアンドビルド方式の船舶改善助成施設に基づく補助金を受けて建造されていたが、「淡路山丸」は、有事の徴用を前提とした新造方式の優秀船舶建造助成施設による補助金を受けて建造されていた。そのため、軍用を想定した設計が盛り込まれており、経済性に反する最大19ノット超の高速性能も一例であるほか、軍隊輸送船転用時の兵員居住区となる中甲板には採光・換気用の舷窓を設け、船首尾甲板などには15cm級の大砲を設置できるよう補強材が入っていた〔。 船名は、三井物産船舶部のニューヨークライナーに共通するAで始まるものが命名された。船名に「山」が付くのも、「金城山丸」など同社の保有船の多くと同じである〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「淡路山丸」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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