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『法華経』(ほけきょう、ほっけきょうとも)は、初期大乗仏教経典の1つである『サッダルマ・プンダリーカ・スートラ』(、「正しい教えである白い蓮の花の経典」の意)の漢訳での総称。〔経の字をはずすと「法華」になるが、これは一般に「ほっけ」と発音する。〕 梵語(サンスクリット)原題の意味は、「サッ」(sad)が「正しい」「不思議な」「優れた」、「ダルマ」(dharma)が「法」、「プンダリーカ」(puṇḍarīka)が「清浄な白い蓮華」、「スートラ」(sūtra)が「たて糸:経」であるが、漢訳に当たってこのうちの「白」だけが省略されて、例えば鳩摩羅什訳では『妙法蓮華経』となった〔原題については記事のように説明されてきたが、「プンダリーカ」が複合語の後半にきて、前半の語を譬喩的に修飾するというサンスクリット文法に照らしても、欧米語の訳し方からしても「白蓮のように最も優れた正しい教え」と訳すべきで、白蓮華が象徴する「最も勝れた」と「正しい」という意味を「妙」にこめて鳩摩羅什が「妙法蓮華」と漢訳したということが植木雅俊によって詳細に論じられている。(『Saddharmapundarika の意味』日本印度学仏教学会 印度學佛教學研究 第49巻第1号 2000年12月 )〕。さらに「妙」、「蓮」が省略された表記が、『法華経』である。「法華経」が「妙法蓮華経」の略称として用いられる場合が多い。 漢訳は、部分訳・異本を含めて16種が現在まで伝わっているが、完訳で残存するのは *『正法華経』10巻26品(竺法護訳、286年、大正蔵263) *『妙法蓮華経』8巻28品(鳩摩羅什訳、400年、大正蔵262)〔中文维基文库『妙法蓮華経』 〕 *『添品妙法蓮華経』7巻27品(闍那崛多・達磨笈多共訳、601年、大正蔵264) の3種で、漢訳三本と称されている。漢訳仏典圏では、鳩摩羅什訳の『妙法蓮華経』が、「最も優れた翻訳」〔優れたといっても、サンスクリット語原本に忠実な訳というわけではなく、漢文として読みやすいという方がより正確であろう。方便品末尾の十如是など、鳩摩羅什の創意により原本にない文章が付け加えられた所もある。岩本・坂本1976〕として流行し、天台教学や多くの宗派の信仰上の所依として広く用いられている。 天台宗、日蓮宗系の宗派には、『法華経』に対し『無量義経』を開経、『観普賢菩薩行法経』を結経とする見方があり、「法華三部経」と呼ばれている。日本ではまた護国の経典とされ、『金光明経』『仁王経』と併せ「護国三部経」の一つとされた。 なお、鳩摩羅什訳『妙法蓮華経』観世音菩薩普門品第二十五は『観音経』として多くの宗派に普及している。また日蓮宗では、方便品第二、如来寿量品第十六、如来神力品第二十一をまとめて日蓮宗三品経と呼ぶ。 == 内容 == === 概説 === 鳩摩羅什訳『妙法蓮華経』は28品の章節で構成されている。〔この28品が法華経成立当初から全て揃っていたかどうかは後述の成立年代についての議論の通り、疑問だが、少なくとも智顗の説は28品全てがはじめから揃っていたことを前提として展開されている。岩本・坂本1976〕現在、日本で広く用いられている智顗(天台大師)の教説、五時八教によると、前半14品を''迹門''(しゃくもん)、後半14品を''本門''(ほんもん)と分科する。迹門とは、出世した仏が衆生を化導するために本地より迹(あと)を垂れたとする部分であり、本門とは釈尊が菩提樹下ではなく五百塵点劫という久遠の昔にすでに仏と成っていたという本地を明かした部分である。迹門を水中に映る月とし、本門を天に浮かぶ月に譬えている。後世の''天台宗''や''法華宗一致派''は両門を対等に重んじ、''法華宗勝劣派''は法華経の本門を特別に重んじ、本門を勝、迹門を劣とするなど相違はあるが、この教説を依用する宗派は多い。 また、三分(さんぶん)の観点から法華経を分類すると、大きく分けて(一経三段)、序品を序分、方便品から分別品の前半までを正宗分、分別品から勧発品までを流通分と分科する。また細かく分けると(二経六段)、前半の迹・本の二門にもそれぞれ序・正宗・流通の三分があるとする。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「法華経」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Lotus Sutra 」があります。 スポンサード リンク
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