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清廉潔白な国防軍()とは、ナチス・ドイツ時代のドイツ国防軍が、第二次世界大戦の戦争犯罪や戦争責任、さらにはホロコースト等の迫害と無関係であったとする言説。否定的な立場からは国防軍無罪論、国防軍潔白神話などとも訳される。 == 経緯 == 第二次世界大戦終了後、連合国は当初国防軍にも戦争責任があると考えていた。1945年8月のロンドン宣言においても、ドイツ参謀本部と国防軍最高司令部 (OKW) がゲシュタポや親衛隊同様、「犯罪的な組織」であると宣言している。一方でアメリカのOSS局長で、ニュルンベルク裁判の次席検察官に任命されていたウィリアム・ドノバン少将は、国防軍を裁くこと自体に反対していた〔守屋 (2006:3-4)〕。ドノバンはOKW統帥局次長ヴァルター・ヴァルリモントと接触し、元陸軍参謀総長フランツ・ハルダーの指導によって裁判に関わる戦史の編集を勧めた〔守屋 (2006:4-5)〕。 11月29日、ヴァルリモントとハルダー、そしてヴァルター・フォン・ブラウヒッチュ元陸軍総司令官、エーリヒ・フォン・マンシュタイン元帥は連名で国防軍の活動に関する一通の覚書を提出した。この覚書には国防軍は非政治的な存在であり、戦場における犯罪行為等は親衛隊によってなされたものであるという主張が書かれていた〔熊野 (2006:58)〕。この覚書が採用され、1946年9月30日には参謀本部とOKWが親衛隊やゲシュタポのような犯罪的組織ではないという判決が下った〔守屋 (2006:2-3)〕。ただし、この判決は個人としての国防軍軍人すべてを免責したわけではなく、ニュルンベルク継続裁判等の裁判では、ヴァルリモントやマンシュタインをはじめとする複数の軍人が戦争犯罪によって有罪とされている。 この国防軍が戦争犯罪に積極的に関与していないという言説は、後にアメリカ軍の戦史研究官となったハルダーの戦史執筆、マンシュタインやハインツ・グデーリアンといった将軍達の回顧録出版によって補強され、占領下のドイツ西部(アメリカ・イギリス・フランスの軍政施行域)全体に広まった。この説は冷戦下で再軍備を急ぐ西ドイツ政府にとっても有利であり、西側諸国全体にも受け入れられていった。1951年1月にはかつての連合軍司令官ドワイト・D・アイゼンハワー元帥が、戦時中にナチスと国防軍を同一視した発言を行ったことを謝罪する書簡を送っている〔。 1985年5月5日に、アメリカのロナルド・レーガン大統領と西ドイツのヘルムート・コール首相が、国防軍だけでなく武装親衛隊兵士も埋葬されているビットブルク軍人墓地を慰霊のため訪問したことが問題となった()。国外では武装親衛隊兵士と国防軍兵士を同列に扱うことについて強い批判があったが、西ドイツ国内では一定の支持を得ていた〔熊野 (2006:64)〕。一方で1980年代にはといった研究者が、国防軍がナチズムの道具として使われていたということをたびたび言及している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「清廉潔白な国防軍」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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