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測地学(そくちがく、)とは、地球に固定した座標系を仮定し、その座標系を用いて、地球上の任意の点の位置を決定する方法、精度、その背景にある地球力学的な諸問題を扱う分野をいう〔萩原(1982) p.1 〕。 ==地球楕円体== 実際の地球の形状は、山あり海ありで起伏に富んでおり、完全な楕円体ではない。そこで、平均海水面を等重力ポテンシャルとする仮想的な面が考え出された。これをジオイドと呼ぶ。これは理想的には回転楕円体と一致するべきものであるが、実際には地球上の物質の不均一性により、ジオイドにも凹凸があることが分かってきた。 ジオイド面になるべく近い形状の楕円体を求める試みは、19世紀前半から行われた。ただし、当初は全地球規模で楕円体の形状を決める方法がなかったため、地域ごとの子午線弧長の測量によって楕円体が決定されてきた。東アジアで決められたベッセル楕円体(1841年)、北米でのクラーク(Clark)楕円体(1866年)などである。ちなみに、ベッセル楕円体の長半径(;単位m)・扁平率()は、 : (Bessel 1841) である。これらの楕円体は、長半径・扁平率が微妙に異なるため、1967年のIUGG(国際測地学・地球物理学連合)総会によって、 : (IUGG 1967) が決定された。しかしこの楕円体は、全地球で統一的な経緯度を与えるものではなかった。 主に人工衛星の周期の解析の結果から、全世界で統一的な成果がIUGGで定められたのは1980年であり、その楕円体はGRS80と呼ばれる。 : (GRS 80) : (GRS 80, 1983改訂) さらに、1984年にはアメリカ国防総省により、と呼ばれる楕円体が決定された。この楕円体は、もともとGRS 80に依拠しており、扁平率を決定するに当たって、正規化された2次の帯調和重力係数から計算により導出されたが、この重力係数計算の際に基となるGRS 80の力学的形状係数''J''2の有効数字が8桁で打ち切られた〔国家画像地図局(現 アメリカ国家地球空間情報局)技術報告8350.2 , 7.3節〕。この結果、扁平率の値に差異が生じ、短半径がGRS 80に比べて約0.104mmだけ長くなっているが、実用上は、GRS 80との差はない。 : (WGS 84) 地表上のある地点の緯度・経度を表現するためには、楕円体パラメータの他に、緯度・経度の絶対的な基準が必要である。これを測地座標系と呼び、日本では東京都港区麻布台にある日本経緯度原点が基準に用いられている。 日本では過去へのしがらみから長い間ベッセル楕円体が用いられてきたが、「測量法及び水路業務法の一部を改正する法律」(平成13年法律第53号)の施行により、2002年4月からGRS 80楕円体とITRF座標系に基づく世界測地系での緯度・経度の表示が法制化された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「測地学」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Geodesy 」があります。 スポンサード リンク
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