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源氏一品経(げんじいっぽんきょう)とは、源氏供養のために作られた願文の一つである。 == 概要 == 平安時代末期から鎌倉時代にかけて源氏物語の作者である紫式部や源氏物語の読者たちを供養する「源氏供養」という行事が行われ、そのためにさまざまな願文・表白文が作られた。源氏一品経とはそれら願文の中でも代表的なものの一つであり、『源氏一品経表白』と呼ばれていることもある。大原三千院所蔵の『拾珠抄』(しゅうじゅしょう)に含まれており、1168年(仁安3年)ころ安居院澄憲によって作られたとされる。この源氏一品経は漢文体で書かれているが、同種の願文で和文体で書かれているものもあり、和文体による願文の代表的なものには澄憲の子聖覚が作ったと伝えられる『源氏物語表白』(『源氏供養表白』とも呼ばれる)がある。 下記のように仏教思想の中では作り物語は最下層の存在として位置づけられており、さらに源氏物語をはじめとする物語にはしばしば男女間のやりとりが描かれていることからこれらを罪深い「愛欲の書」であるとし、このような物語を書いた紫式部は地獄に堕ちたし、またこのような物語に耽溺した読者もそのままではやはり地獄に堕ちてしまうという言説が生じることになる。源氏供養とは、そのような作者と読者とを救済するために行なわれた供養のことをいう。のちにこれをモチーフにして物語や能、浄瑠璃などさまざまな作品が作られた。これらの作品の中にも源氏一品経に類するものが含まれている。 このような思想は、源氏物語のおこりなどで描かれた源氏物語が仏の導きで描かれた、さらには作者の紫式部が仏の化身であるといった思想とほぼ同じ時期に生まれたもので、この両者は一見正反対のようで有りながら仏教思想の元で源氏物語を理解しようとするといった本質的なところで近い性格を持った表裏一体の思想であると考えられている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「源氏一品経」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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