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『水原抄』(すいげんしょう)は、鎌倉時代に河内方によって著されたとされる『源氏物語』の注釈書である。『原中最秘抄』の奥書のように「水原鈔」(「抄」の手偏が金偏になっている)と表記しているものもある。「水原」とは『源氏物語』の「源」の一文字を「偏(サンズイ)=水」と「旁=原」に分割したものであるとされる〔「水原抄」伊井春樹編『源氏物語 注釈書・享受史事典』東京堂出版、2001年(平成13年)9月15日、pp. 412-413。 ISBN 4-490-10591-6 〕。 == 概要 == 本書は、13世紀中頃に源親行によって著されたとされており、いわゆる河内学派による注釈書として最も成立時期の古いものである。全54巻(『仙源抄』によると「五十余巻」)あったとされており、この巻数は現在の『源氏物語』54帖と対応していると考えられている。この「全54巻」という巻数からみて後の「紫明抄」(全10巻)や「河海抄」(全20巻)と比べても非常に大部のものであったと考えられている。『原中最秘抄』では、『源氏物語』についての河内学派の教えは「源氏物語54帖(河内本源氏物語)、水原抄54巻、原中最秘抄上下2巻と文書化されない口伝から構成される」としている。またここで「54帖」と「54巻」が明確に区別されていることから、本書は巻子本であったと考えられている。 本書は、『原中最秘抄』や『紫明抄』といった河内学派のものだけでなく、『河海抄』、『珊瑚秘抄』、『花鳥余情』といったこれ以後の多くの注釈書、また七毫源氏(東山文庫蔵)のような写本に書き込まれた注釈の中に数多く引用されている。これらのうち、「水原抄から」と明記して引用されているものだけでも約百箇所に上り、その他にも「親行云」「親行説」「光行云」などとして引用される記述もこの『水原抄』のものではないかと考えられている。このように広く知られた本書であったが、室町時代中期に一条兼良が『花鳥余情』で引用して以後、誰も見たことのない幻の書になってしまった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「水原抄」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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