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光源氏物語本事(ひかるげんじものがたりほんのこと)とは、源氏物語の注釈書(より厳密には注釈書『幻中類林』の中から本文や写本に関する事項を抄出した書物)である。 == 概要 == 本書は、源氏物語についての注釈書であり、著者名と奥書の一部が共通することからもともとは「華洛非人桑門了悟」なる人物によって鎌倉時代の文永年間(1264年から1274年まで)ごろに作られたと見られる源氏物語の注釈書である『幻中類林』〔「幻中類林」伊井春樹編『源氏物語 注釈書・享受史事典』、東京堂出版、2001年(平成13年)9月15日、p. 347。 ISBN 4-490-10591-6 〕の中から「本の事」つまり源氏物語の写本や本文に関する記述を抜き出したものであると考えられている。島原松平文庫本において本書を収めている『歌書集』の目録には「源氏物語本事」とあるが、現存する写本が「光源氏物語本事」の内題を持つため通常「光源氏物語本事」の名で呼ばれている〔「光源氏物語本事」、伊井春樹編『源氏物語 注釈書・享受史事典』、東京堂出版、2001年(平成13年)9月15日、p. 447。 ISBN 4-490-10591-6 〕。肥前国島原藩の藩主深溝松平家に伝来してきた「島原松平文庫」が昭和30年代にまとまって島原市に寄贈された際に〔 今井源衛「『幻中類林』と『光源氏物語本事』」天理図書館編「ビブリア. 天理図書館報 」第30号、天理大学出版部、1965年(昭和40年)3月。のち『王朝文学の研究』角川書店、1970年(昭和45年)。及び『源氏物語文献考』(今井源衛著作集第4巻)、笠間書院、2003年(平成15年)9月、pp. 136-153 ISBN 4-305-60083-8。 〕そこに含まれていた本書の写本が源氏六十三首之歌などとともに発見され、今井源衛によって紹介されたことにより広く知られることになった〔今井源衛「流出した島原松平文庫旧蔵本」、日本古典文学会編「日本古典文学会会報 第121号」、日本古典文学会、1990年(平成2年)7月。のち『紫林残照 国文学やぶにらみ 続』(古典ライブラリー 2)、笠間書院、1993年(平成5年)10月 ISBN 4-305-60032-3。および『評論・随想』(今井源衛著作集 第12巻)、笠間書院、2007年(平成19年)10月、pp. 139-141 ISBN 978-4-305-60091-2。 〕。「幻中類林」全体としても鎌倉時代の河内方のものではない注釈書として源氏物語の注釈史・享受史を考える上で大変貴重なものであり〔大津有一「注釈書解題 幻中類林」池田亀鑑編『源氏物語事典 下巻』東京堂出版、1960年(昭和35年)、p. 98。 〕しかもこの「光源氏物語本事」の部分は全七丁(ページ)と分量は少ないものながら源氏物語の写本・外伝的な巻の巻名・更級日記関係の叙述等他に類を見ない独自の情報を数多く含んでおり〔田坂憲二「解説」『今井源衛著作集 第4巻 源氏物語文献考』笠間書院、2003年(平成15年)9月、pp. 377-390。 ISBN 4-305-60083-8。〕、以後「源氏物語享受史の第一級資料」であり、「本書を抜きにして、平安・鎌倉期の源氏物語の研究史・享受史をかたることは出来ない」とされている〔田坂憲二「『光源氏物語本事』・『幻中類林』影印解題」今井源衛編『源氏物語とその周縁』刊行会著『研究叢書 74 源氏物語とその周縁』和泉書院、1989年(平成元年)6月、pp. 315-317 ISBN 4-87088-363-5。〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「光源氏物語本事」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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