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『源氏釈』(げんじしゃく)は、『源氏物語』の注釈書である。藤原伊行によって平安時代末期に著された現存する最も古い『源氏物語』の注釈書であり、『弘安源氏論議』においても源氏物語の注釈の始まりは「宮内少輔が釈」と呼ばれている本書であるとされている〔漢籍、仏典、史書、法律書、詩歌集などについての注釈書はそれ以前にも存在したものの、物語(作り物語)についての注釈書としては日本の文学史上最も早い時期に成立したものである。〕。これに続く源氏物語の注釈書である藤原定家の『奥入』においても『源氏釈』は非常に重要視されており、数多く引用されている。但し常に従っているわけではなく、批判を加えている部分もある〔竹内正彦「主要古注釈書一覧 2 奥入」林田孝和・植田恭代・竹内正彦・原岡文子・針本正行・吉井美弥子編『源氏物語事典』大和書房、2002年(平成14年)5月、p. 60。 ISBN 4-4798-4060-5 〕。 == 概要 == 『源氏釈』はもともとは独立した注釈書ではなく、藤原伊行が所有する源氏物語の写本に頭注、傍注、付箋などの形で書き付けていった注釈を、改めて一冊にまとめたものと考えられている。現在のような形で1冊にまとめたのが伊行自身なのか、後人の手によるものなのかについては、両説が存在する。藤原伊行の注釈は後世の注釈書に数多く引用されているが、「源氏釈」のほか「源氏物語釈」、「源氏あらはかし」、「源氏あらはし」(「あらはかし」や「あらはし」とは不明な部分を明らかにすることを意味するものであると考えられている〔竹内正彦「主要古注釈書一覧 1 源氏釈」林田孝和・植田恭代・竹内正彦・原岡文子・針本正行・吉井美弥子編『源氏物語事典』大和書房、2002年(平成14年)5月、p. 60。 ISBN 4-4798-4060-5 〕。)などさまざまな書名で呼ばれており、「伊行釈」「伊行朝臣釈」「伊行朝臣勘」「伊行勘」「伊行」などとして書名を記さない形で引用されることも多い。これは本書が一定の書名を持っていなかったためであるとする見解と、本書が一冊の注釈書になる前の原型である写本に付記された注記から直接引用された場合があるからであるとする立場とが存在する。藤原伊行の父藤原定信が死去した1156年(保元元年)には完成していたと見られる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「源氏釈」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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