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準粒子 (quasiparticle) とは、その振る舞いがある系の中で一つの粒子として特徴付けることのできる離散的な現象の集団を言う。大雑把には、''ある粒子とその粒子の局所環境への効果を合わせたもの''と定義することができる。 物質中の粒子間には複雑な相互作用が働いている。その相互作用を切って自由粒子として扱うことは原理的に不可能である。逆に言えば、相互作用によって粒子の集団運動がつくる励起は生まれる。よって物質中では粒子という概念自体が必ずしも自明ではない。ところが、複雑な相互作用があるにもかかわらず、あたかも特定の運動量やエネルギーを持った自由粒子が独立に運動しているように振る舞い、着目していない粒子が背景(真空)であるように扱える場合がある。このような粒子は相互作用の効果を繰り込んだものであり、「相互作用の衣を着た粒子」という意味で「準粒子」と呼ばれる。〔 江澤潤一「量子場の理論―素粒子物理から凝縮系物理まで」2008年、朝倉書店 〕 準粒子が系に及ぼす効果もまた準粒子である。 準粒子の全体的な性質は単一の自由粒子のように振る舞う。この概念は凝縮系物理において最も重要である。これは量子多体問題を単純化できると知られている数少ない方法の一つである。同様に、これは他のあらゆる数の多体系にも適用することができる。 == 概要 == 多体量子力学における準粒子は、系の低エネルギー励起状態(基底状態エネルギーに非常に近いエネルギーを持つ状態)の一つである。この状態は素励起状態と呼ばれる。準粒子間の相互作用は十分な低温では無視することができるので、基底状態近くの低エネルギー励起状態のほとんどは複数の準粒子が存在する状態として見ることができる。個別の準粒子の性質を調べることによって、流動特性や熱容量など低温系についての多くの情報を得ることができる。 多くの多体系には二つの型の素励起が存在する。 * 第一の型の素励起は、''単一''粒子に一致する。その運動は系の他の粒子との相互作用によって変化する。 * 第二の型の素励起は全体としての系の集合運動に一致する。この励起は集団モード (collective mode) と呼ばれる。集団モードの励起には、ゼロ音波、プラズモンやスピン波が含まれる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「準粒子」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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