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初期のヒト属による火の利用が始まってから、ヒトの社会文化的進化は急激に早まった。ヒトは火を調理に使い、暖を取り、獣から身を守るのに使い、それにより個体数を増やしていった。火を使った調理は、ヒトがタンパク質や炭水化物を摂取するのを容易にした。火により寒い夜間にも行動ができるようになり、あるいは寒冷地にも住めるようになり、ヒトを襲う獣から身を守れるようになった〔。 ヒト属による単発的な火の使用の開始は、170万年から20万年前までの広い範囲で説が唱えられている。最初期は、火を起こすことができず、野火などを利用していたものと見られる〔JAXA 人類 〕が、日常的に広範囲にわたって使われるようになったことを示す証拠が、約12万5千年前の遺跡から見つかっている〔。「40万年前から広い範囲で使われていた」とする説もあったが、多くが否定されているか、あるいは確かな証拠が示されていない〔"Fire was used by Homo erectus in northern China more than 400,000 years ago, and there is sketchy evidence suggesting that it may have been used long before that (Gowlett, 1984, pp. 181-82)." 〕。 == 火が生活に与えた影響 == ヒトの生活は、火とその明るさで大きな影響を受けた。夜間の活動も可能となり、獣や虫除けにもなった〔。また、当初は火を起こすのが難しかったため、火は集団生活で共用されるべきものとなり、それにより集団生活の必要性が増した〔。 火の使用は栄養価の向上にも繋がった。タンパク質は加熱することで、栄養を摂取しやすくなる〔。黒化した獣の骨から分かるように、肉も火の使用の初期から加熱調理されており、動物性タンパク質からの栄養摂取をより容易にした。加熱調理された肉の消化に必要なエネルギーは生肉の時よりも少なく、加熱調理はコラーゲンのゼラチン化を助け、炭水化物の結合を緩めて吸収しやすくする〔。また、病原となる寄生虫や細菌も減少する。 また、多くの植物には灰汁が含まれ、マメ科の植物や根菜にはトリプシンやシアングリコーゲンなどの有毒成分が含まれる場合がある〔。また、アマ、キャッサバのような植物に有害な配糖体が含まれる場合もある〔。そのため、火を使用する前には植物の大部分が食用にならなかった。食用にされたのは種や花、果肉など単糖や炭水化物を含む部分のみだった。ハーバード大学のは、植物食の加熱調理でデンプンの糖化が進み、ヒトの摂取カロリーが上がったことで、脳の拡大が誘発された可能性があると主張している。 実際、H.エレクトスの歯や歯の付着物から、加熱調理無しには食べるのが難しい硬い肉や根菜などが見つかっている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「初期のヒト属による火の利用」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Control of fire by early humans 」があります。 スポンサード リンク
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