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火病(ひびょう、かびょう、ファッピョン、)もしくは鬱火病(うっかびょう、うつひびょう、ウルファッピョン/ウラッピョン、)は、文化依存症候群(文化結合症候群)のうち、朝鮮民族特有の精神疾患〔中宮崇 「火病 怒りを抑制していると発症するという特異な精神疾患と現代韓国」() 〕と指摘されている病気である〔火病にはワールドカップが薬? 2006.06.12中央日報〕。 2015年1月27日の就職ポータル「Career」の調査によると、韓国の会社員の90.18%が職場で火病の経験があると答えた〔 中央日報日本語版 2015年1月28日〕とされている。 == 概説 == 火病または鬱火病は、怒りの抑制を繰り返すことで、ストレス障害を起こす精神疾患を指す。 現行の『精神障害の診断と統計マニュアルⅤ』には記載がない。 アメリカ精神医学会は、火病を「朝鮮民族特有の文化依存症候群の一つ」として扱い、『精神障害の診断と統計マニュアルⅣ』の付録である、文化に結びついた症候群に記載が見られる。 火病は症候として、疲労、不眠、パニック、切迫した死への恐怖、不快感、食欲不振、消化不良、動悸、呼吸困難、全身の疼痛、心窩部に塊がある感覚などを呈する〔私家版・精神医学用語辞典 ファビョン(火病)Hwa-Byung 〕。英語では「anger syndrome」(憤怒症候群)と訳され、原因は怒りの抑制によるとされている。 引っ込み思案で弱気な40代以上の女性の間で多く見られ、原因としては家族間での諍いなどの個人や家庭に起因するもの、貧困や苦労などの社会経済的な問題に起因するものなどがあり、それらを解決しようにもうまくいかないことによる諦め、怒り、悲しみなどが挙げられる。 韓国で41歳から65歳までの女性2807人の調査結果では、火病の有病率は4.95%で、中でも特に社会経済的に低い階層の者、地方在住者、離婚や別居をしている人、飲酒者、喫煙者で高率であった。また、韓国系アメリカ人109人の調査では、「自分は火病にかかったことがある」と回答した者が12%いた。 症状の一つに、胸の中に塊があるように感じる例が多いが、韓国では伝統的、文化的に家族の調和と安定を重んじるあまり、怒りは抑え、胸の奥に溜め込むべきだとされているため、怒りが塊となって、胸や喉を圧迫していると信じられている。これを裏付けるように発病の直接の引き金として、配偶者の浮気、嫁姑問題、子供の非行など家庭内の問題が多い。その背景には、男尊女卑に代表される封建的な価値観、女性差別的傾向の強い韓国社会の影響が強いと考えられている。 元来、封建的な韓国の家では、女子は生まれても、家族の一員とは数えられないことすらあり、男子を産まない母親は家を追い出される例もあった。このような社会背景から、女性は言葉や行動による怒りの表現を禁じられ、忍従を強要された。それらの結果潜在化した怒りが、「火病」の身体症状として表現される、と解釈されている。地方の貧困層に火病が多いのは、封建的な価値観を持つ家庭が多いためと考えられる。 かつては患者の80%が女性だったが、近年は男性の患者も増加傾向にある〔。2012年現在、韓国の小・中・高校生648万人のうち105万人(16.2%)は、うつ病の兆候や暴力的な傾向を示す「要関心群」で、そのうち22万人は、すぐに専門家の診断や治療を受けるべき「要注意群」であることが分かっている。 英語表記はHwabyung〔であるが、Hwapyungと紹介されている場合もある。現在韓国で行われているローマ字表記(文化観光部2000年式)では「」は「Hwabyeong」である(なお、旧方式(マッキューン=ライシャワー式、北朝鮮では現在も使用)では「Hwapyŏng」となる)。これは、ハングルにおける綴りはまたはであるが、実際の韓国語の発音が(文化観光部2000年式:Hwappyeong、マッキューン=ライシャワー式:Hwappyŏng)であり、韓国語表記自体が実際の発音と表記にズレがある事と、ローマ字表記法の統一が普及していない事によるものである。 日本語の表記としては、誤読によるものながら「ファビョン」が一般化しているが、「ファッピョン」がより現地音に近い。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「火病」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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